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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 143


「あ・・・ぐぅッ・・・!」

しかし予想に反して彼女は生きていた。
全身にかなりのダメージを負ったようだが、気を失うことなく立ち上がる。
その時オレは自分以外が敵であることを完全に忘れてしまう。
当然そのスキをオルゾスたちが見逃すはずもなかった。

ビュッ!

「ッ!!」

背後から襲いかかってくる攻撃の気配を感じ、オレはすばやく頭を下げる。
するとオレのすぐ頭上ではオルゾスの剣が通り過ぎていた。
さらに前を見ればテスが先ほどの槍の嵐を再びお見舞いしようと手のひらの標準を合わせている。
オレとオルゾスはあわててその場を飛びのき、アンジェラとサルモネラがそれを手助けするべく斧と鉄拳でテスに攻撃する。
テスはとっさに前に飛び出て攻撃をかわすが、前に出たことで標準が狂い、槍の嵐はオレたちを傷つけることなく通り過ぎる。
この間、わずか数分足らずの攻防であった。

「ウウゥゥゥウウゥ・・・ッ!」

獣と化したオレが不満と苛立ちのうなり声を上げる。
この時、オレは敵の予想以上の手強さと不可解な行動に少々戸惑っていた。
不可解な行動というのはもちろんオルゾスたちのこと。
オレをテスの攻撃からかばい、味方かと思えば背後からの不意打ち。
それはすべてオレを気絶させて正気に返そうという意図があるのだが、獣と化したオレの頭脳ではその片鱗さえ理解することはできなかった。
そして・・・テス。こっちもこっちで非常に不可思議な存在だ。
オレの渾身の一撃でも死なない異常なまでの頑強さと繰り出された槍の嵐。
あれは人間形態ではまずありえない能力だ。
人の形に封じられている以上、肉体の強さは人間のそれと同等のはず。
いくらカルシウムで骨を硬くしても、あれで致命傷を受けないのはおかしい。
それにあの槍の嵐。一見魔法のようだが、魔力の流れはまるでなかった。
つまりあれは魔法ではなく、技。
しかし人間の身体を変形させるような技なんてそれこそ封身解放しなければ使えないはずだ。
オレは考えれば考えるほどわからなくなっていく無限ループにハマり、いらだたしげにうなる。
そしてそのストレスが頂点に達したその時・・・。

「ウオオォォォオオオォッ!!」

キレた。感情むき出しの本能が考えることを放棄させ、完全な獣と化すことを選んだのだ。
・・・美化して言ってるが、要するに難しすぎてやってらんなくなったのである。
アホな獣と化したオレは最小のリスクで最大の戦果を上げるべく、もっとも厄介で手負いのテスに目がけて一目散に突っ込んでいく。

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