PiPi's World 投稿小説

モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 139
 141
の最後へ

モンスターハーレム 141


「どけッ、ロカッ!!このままではあのできそこない1匹のために全てが灰と化してしまうのだぞッ!?」
「あの方が決められたことじゃ、逆らう余地はあるまい。
 それに今からではよけいなパニックを引き起こすだけじゃぞ?」
「うるさいッ!!たとえそうであっても、何もせずに死ぬことなどできるかッ!?」
「・・・ならここで死んでみますか、アプリコット?」

ゾクン・・・!

その瞬間、魔物は殺されたと思った。
ゾウがアリを踏み潰すように。いともたやすく。
彼女だけではない。
謁見の間にいる魔物全てが筆舌すら許さぬほどのプレッシャーに恐怖し、動けなくなっていた。

「私は言ったはずです。手出しはするな。
 逃げることも止めることも不可能だ、と。
 それとも私の判断が信じられませんか?」
「・・・っ、・・・っ!?」

背後から聞こえてくる足音に、魔物はとっさに違う、そんなことはないと答えようとした。
しかし圧倒的なプレッシャーに、魔物は声すらできない。
いや、呼吸するのさえ困難になっていた。

「そんなに死ぬのが怖いなら・・・。
 痛みや恐怖もなく、一瞬で消してさしあげましょうか?」
「・・・ッ!?」

・・・とさっ、

その瞬間、魔物の意識はまるでリモコンで電源を落とされたように切れた。
プレッシャーが薄れ、魔物たちの金縛りが解ける。
しかし動くものや口を開くものは誰もいない。
先ほどまでの恐怖がそれを許さなかったのである。

「あらあら・・・。ちょっと脅かしただけで気絶とは・・・。
 少しやりすぎちゃったかしら?」
「・・・あなたの『脅し』に耐えられるものなどそうそうおりはしないでしょうに。
 まったく意地の悪いお方じゃ」

冷や汗をだらだらかきながら、ロカが軽口を叩く。
まわりはとてもそんなことなどできないと言うのに、さすがは将軍クラスと言ったところか。

「・・・しかし本当に大丈夫なのでしょうな?
 信じぬわけではありませんが、この魔力量はいささか量が過ぎますぞ?」
「ご安心なさい。
 これでも私、人を見る目には少しばかり自信がありますから。
 ・・・それに。この程度のことで自滅するようなら、このまま滅んだほうが幸せというものでしょう?」

シャレにならないセリフに、ロカはどう返事をしたものか、言葉に詰まる。
そんな彼女の考えなど知らないカグラは、倒れた魔物をどう処分したものか、さも楽しそうな様子考えていた。
危険なことなど何もないと言わんばかりのご様子で・・・。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す