PiPi's World 投稿小説

モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 138
 140
の最後へ

モンスターハーレム 140

青髪に比べれば個々の力は弱いが、群れをなしている以上、青髪より厄介だ。
発情しているメスどものときのように簡単には倒されまい。
どちらを先に攻撃しても苦戦は避けられない。
強い青髪を攻撃すれば、群れはオレたちを取り囲んで攻撃するだろう。
群れを襲えばそのスキを突いて青髪が襲ってくる。
・・・さて、一体どちらから先制攻撃をしかける?

――――――――

「カグラさま!一体どういうことですかっ!?」

その頃。カグラのいる謁見の間ではちょっとした騒ぎが起きていた。

「どうもこうもありません。
 人造の魔王と反対派の戦いに関し、私たちは一切の手出しを禁ずる、と言ったんです」

そう。オレがこのダンジョンを巻き込んでの大暴走を引き起こしかねない非常事態に、カグラは不干渉を決め込んだのだ。
これには周囲のお偉方から文句が上がった。
当然だ。下手をすればこのダンジョンの全てが吹っ飛ぶというのに、不干渉なんて狂気の沙汰としか思えない。
魔物の軍勢の中枢を担う魔物たちは、必死に彼女に再考を促すべく説得を試みる。

「なぜですっ!?
 このままではあなた様のお命さえも危ういのですよっ!?」
「すでに反対派のテス将軍が動いているとの報告をあります。
 さらに今から軍を編成・出撃を許可したところで彼の暴走を食い止めることは時間的に不可能です」
「でしたら今すぐに避難を!」
「どこに逃げると言うのです?
 暴走すれば、おそらくこの迷宮全てが吹き飛びます。
 それに今の私は魔王代行です。
 その責務を放棄してこの場から逃げ出すことは許されません」
「・・・ッ!衛兵!今すぐ全将軍、ならびに兵士たちを招集しろ!
 人造の魔王が暴走する前に処分する!」

埒が明かないと判断した魔物は、迷わず近くの兵士に命令を下す。
しかし兵士は最高権力者であるカグラに逆らう命令にどうしていいのかわからない。

「何をしているッ!?急げ!全責任は私が取る!」
「は、はいっ!」

魔物の怒声に反射的に答えた兵士は、あわてて謁見の間から出て行こうとする。
しかし突然目の前の光景がドアから天井に切り替わり、次の瞬間に襲いかかった激しい衝撃が女兵士の意識を刈り取った。

「いかんのぉ・・・。我らが指導者の命令をないがしろにするとは」

それは真紅の鎧に身を包んだ赤武者ロカ、その人であった。
自分よりはるかに高い地位にいる人物だが、今の魔物にそんなことなど考えている余裕はなかった。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す