モンスターハーレム 135
その頃。1人反対は相手にしていたオレはというと。
「アッ・・・!アアァーーッ!?」
「ひっ・・・ぐっ・・・かはっ!」
口と右手で女兵士からエナジードレインをやっている真っ最中だった。
左手に抱えた女のノドにかぶりつき、血ごとエネルギーをすする様子はまさに獲物を捕食する肉食獣のようだった。
食われている女どもに死への恐れやオレに対する嫌悪はない。
ただただ恍惚とした表情でオレに力を与え続ける。
だがオレのほうは少々不満だった。
魔力は食い放題だし、命のやり取りも楽しいことは楽しい。
しかし獣と化したオレには、食える魔力に物足りなさを感じていた。
結論から言うと物足りないのだ。
サルスベリやアスタナビュートのような豊潤な魔力に比べると、どうしても量も質も見劣りする。
おまけに数ばかりで1人1人は大したことない。
オレはオーガの渾身の一撃をよけながらそんなことを考えていた。
狂った心に芽生えた小さな不満は徐々に大きくなり、オレの本能に訴えかける。
もっとうまい魔力を大量に!もっと強い相手と戦わせろ!・・・と。
しかしここには数だけが頼りの雑魚しかいない。
仕方がない。ここは食欲を満たすことにするか。
オレは本能と折り合いをつけると、食っていた女兵士を無造作に捨てた。
そして今まで食った魔力の一部を使い、ある魔法を起動させようとする。
「これは・・・!魔法を使うつもりだ!
くそっ!いつの間に魔法を!?」
魔力の高まりに気づいた指揮官の1人が、あわてて部下たちに一斉攻撃を命じる。
だが・・・遅い!
ブバアァァァ・・・ッ!!
「しまっ・・・!?」
奴らの攻撃が届くより早く魔法が発動し、オレの全身から見えない『何か』がほとばしる。
それは一陣の風となり、戦場を駆け巡る。
オレの体から放たれた『モノ』をもろに浴びた兵士や魔物たちがバタバタと倒れる。
だがオレが放った魔法の効果はこれからが本番だった。
ドクンッ・・・!
「がっ!?」
「ぎぃっ!?」
「ぐ・・・!?」
兵士と魔物たちは短いうめきとともに身体をびくりと震わせた瞬間にそれは起こった。
ビキッ!ゴキバキャッ!!
倒れた魔物や兵士たちの身体が不自然に盛り上がり、皮膚の内側から細く長い虫のようなものが浮き上がりだしたのだ!