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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 134


「大丈夫ですか!?しっかりしてくださいっ!」
「おい!一体何があった!?おい!」

オルゾスは見慣れない女性(成長したサルスベリ)の頬を叩き、ムリヤリ目覚めさせる。
彼女の容赦ないビンタ攻撃に、女性は何とか目を覚ます。

「うぅ・・・。オルゾス・・・か・・・?」
「一体何があった!?話せ!」
「あ、甘かった・・・。薬を飲んだラグが・・・暴走・・・。
 私たちを襲い・・・魔力を・・・」
「暴走!?」
「早く・・・ヤツを・・・止め・・・!」

サルスベリはそれだけ言うと、全身の力を抜いた。
気を失ってしまったのだ。
オルゾスはあわてて壁の大穴を見る。
その向こう側では悲鳴や断末魔、咆哮に混じって喘ぎ声がかすかに聞こえてくる。
おそらくエナジードレインか何かの能力で魔力を吸い取っているのだろう。

(ヤツはさまざまな種族の英雄の亡骸から創られた。
 暴走したことでそれらの能力が開花したのかもしれない・・・!)

・・・となれば、事態は急を要す。オルゾスはそう結論づけた。
確かに魔力を食えば底力は上がる。
しかし際限なく食っていけば魔力を消化しきれずに自爆する危険性があるのだ。
あの様子ではそこまでのことはわかっていないのだろう。
いくら禁忌の魔王と言えど、魔力のキャパシティが無限大だとは思えない。
早く自爆する前にあのバカを止めなくては・・・!
オルゾスはサルスベリを横たえ、立ち上がる。

「みんなよく聞け!
 今、あの大バカ者は魔力を際限なく食いためようとしている!
 放置しておけば自滅してこのダンジョンもろとも吹っ飛ぶ!」
『!!!!』

最愛の主の危険に、仲間たちに緊張が走る。

「ヤツを止めるには、気絶させるしかない!
 だが気をつけろ!ヤツは正気を失っている!
 仲間である我々にすら牙を向く可能性がある!」
『・・・っ!?』
「ミミ!今回はできる限り人手が欲しい!
 こいつらと牢屋の連中に事情を話して協力させろ!」
「は、はいっ!」
「後は全てラグを止めるのに全力を注げ!
 失敗すれば即死に繋がるぞっ!!」
「ちょ、ちょっと待ってください、オルゾスさま!
 カグラさまや反対派の連中に応援を頼んだほうが・・・っ!?」

あまりにも無謀な作戦内容に、リザが抗議の声を挙げる。

「ムダだ!反対派の連中に説明したところで、あのバカを殺すことに変わりはない!
 それにカグラさまほどのお方ならすでにこの事態を把握して対策を採っておられるはずだ!
 第一、いつ暴発するかわからないのに、人員は割けられん!」

オルゾスの正論に、リザも閉口する。
こうして暴走ラグvs反対派vsオルゾス一行による三つ巴の構図ができあがった。
いつ爆発するかわからないタイムリミットつきの悪条件の中、彼女たちは無事ラグを助け出すことができるのだろうか!?

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