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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 125

(かっ・・・あぁ・・・!!)

激痛。それは血液が沸騰するとか身体が弾け飛びそうなんてモンじゃない。
細胞の1つ1つが暴れだし、破壊されているような、そんな感覚。
心臓は自らが傷つくのもかまわず激しく鼓動し、骨と肉は自壊と再生を無限に繰り返す。
痛みを伝える信号はオレの頭脳をオーバーヒートさせ、神経が次々と焼き切れていくような感覚を覚えた。
すでにオレの体は繰り返される破壊と再生のために血まみれの傷だらけとなり、正気を保とうと無意識のうちに自分で自分の身体を傷つけていた。

「アギィィィッ!?ゴガッ、ウギィガアアアアァァァッ!!!!」

オレは今にも吹っ飛びそうな意識の中、こう思った。
消える!消える!消える!もっと!もっと痛みを!
もっと強い痛みを!自分をつなぎとめるような強い痛みを!
そんな中、サルスベリが片付けたと思われる1本のナイフが一瞬だけ目に入る。
次の瞬間、オレはナイフに向かって突進し、勢い余って薬品棚に激突した。

「アギイィィィィッ!?」

ぶつかった衝撃で棚のガラスが身体中に突き刺さり、落ちてきた数々の薬品がオレの体に染み込んでいく。
混じり合った薬品は化学反応を引き起こしてオレの体を溶かし、焼いていく。
しかしオレは死ねない。
狂ったように引き抜いたナイフで自らの左手をめった刺しにする。
皮は破れ、肉は裂け、傷口から白っぽいものが見える。
だがそれ以上の痛みに苦しむオレはそれを砕き、貫通してもなお、ナイフを刺し続けていた。
そして全身の自壊と回復は続く。
 
「ボゴガカーーー!!」
 
今度はぼろぼろの左手でナイフを握り、右手の小指を切り落とした。
だが切断面からは再び小指が生えてきた。
痛みが狂気を呼び、狂気をまた痛みが駆逐して正気に返る。
 
「オオオオ!オオオオーーー!」
 
バガン!!
周囲の空気が爆発する。
オレから漏れ出したあらゆる「気」が異常反応を起こして粉塵爆発同様の効果を及ぼしたのだ。
爆発によってさらに焼かれるオレの体。

・・・一体どれほど暴れていただろう。
意識を保つための狂気の舞を終えたオレは地面に倒れ伏していた。
あれだけ自分の身体を痛めつけたというのに傷1つなく、周囲は血にまみれて破壊しつくされていた。

「・・・ここまで、か。
 禁忌の者というから期待していたが・・・どうやら見込み違いだったらしい」

そんな中、唯一傷を負っていないのはサルスベリ率いるアスタナビュートとメイド数名。
サルスベリは落胆した様子でそんなことをつぶやいた。

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