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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 114

「ああ・・・。入るなりいきなり大量のトラップやモンスターに襲われてな。
 私もいろいろな場所で修行してきたが、さすがにアレはびっくりしたよ」
「ここに住んでいる連中は生きるために必死だからな。
 ・・・でもなんで魔物なんて危険な連中を相手に修行なんてしてるんだ?」

何気なく出された質問。
それは狭霧の後の運命を決める大事な質問だった。
自分の生死が関わる大事な質問だと知らない狭霧は、至って軽い口調で答えた。

「・・・何、単純なこと。力がほしい。それだけよ」
「・・・ホントに単純ね。
 強くなるだけなら他にもいろんな手段があるじゃない。
 アンタには競い合うような仲間もいなかったの?」

狭霧の答えに、半ば呆れたようにアンジェラが言う。
その様子に彼女の目的を聞いたときほどの怒りや警戒心などといったものは見えない。

「はは、アンジェラ殿は手厳しいな。・・・あいにく私には頼れる仲間がいなかったのでな。
 それに手っ取り早く強くなるためには人間よりもはるかに強い魔物のほうがよかったのだ」
「・・・強い?呪いで人間並に弱くなっている魔物が?」
「いや、人の形に封じられているとは言え、魔物の力は人間より弱いなどということはない。
 事実、そこのオルゾス殿だって本来の姿に戻れるほどの実力を持っておろう?」
「なるほど、違いない」

オレの返事に、みんなはクスクスと笑い出した。
・・・みんな、どうやらオレと同じ答えのようだ。
力を正義とする魔物は、強くなることはそれなりの意味を持つ。
この場合は、少なくとも意味もなく弱い魔物を殺していないという証になる。
何より好意的だったのが、狭霧が魔物を格下の存在と侮っていないことだ。
『自分は最強!他はクズ!』なんて考えるような高慢ちきなヤツは信用できないからな。
そして全ての質問を終えたオレは、狭霧に話を切り出した。

「なぁ、狭霧。そんなに強くなりたいならいい相修行場所を紹介してやろうか?」
「ほう?ここ以外にもそんな場所があるのか?」
「ああ。たぶんここ以外にも結構出てくる。
 何せ相手はオレを認めない魔物と人間全てなんだから、な」
「・・・それは一体どういうことだ?」

魔物だけでなく人間も、という発言に反応した狭霧に、オレは全てを教えてやった。
自分が人工的に作られた魔王であること。
それを気に入らない魔物たちが、徒党を組んでオレを殺そうとしていること。
オレは自分を守るためにそいつらを倒し・・・。
自分が仲間と生きていける場所を作ろうとしていること。
もしそれを人間が邪魔するなら力づくで黙らせるつもりであることも、みんな話した。

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