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モンスターハーレム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 106

「おのれっ!」
キン!
「なんという速さだ・・・・・たあーっ!」
普通に攻撃を受け止めるのではなく、それに連なる動きで一撃をいれてみる。
左手の爪を受け止めたその流れで、左腕に刃を当てたのだ。
「ギーッ!」
傷を負わせたが、さしたるものではない。二体とも高速を出し続けている。
 
 
 
 
「おいおい・・なんて奴だよ・・・・」
踵を狙ったり、肘を狙ったり、腹を狙ったり、ビュンビュン動いていて、オレが付け入る隙もない。
オルゾスも戻ってきた。
どうしていいか分からない様子で、戦いを見守っている。
「ラグさま・・・どうするんですか?」
ミミが聞いてきた。
「・・・・・・。」
キキーン!
シュビャビャン!
スプリング・モンキーの神速の機動を、何とか読んでいるようで、あの娘はかわしつづけているようだが、いつまで持つか・・・ん?!
必死に攻撃を避け、防ぎ、流していたあの娘が、いきなり何かを投げたのだ。
「ギヒーッ!」
二体の内一体の動きが急に鈍った。見ると右足に小さな刀が刺さっている。
均衡が崩れると、あとはあっけなかった。
動きの鈍ったほうは直後に首を打たれ、残った一体は神速で跳ね続けたがこちらも狙いすました一撃を受け、腹を断ち割られて絶命した。
「終わりましたねラグ様。」
横からミミが語りかける。
「ああ・・・すばらしい剣術だな。オレの名前はラグ。君の名前を聞かせて欲しい。」
オレはあの娘に話しかけた。
「私か。私の名は 狭霧 吉野(さぎり よしの)だ。」
「狭霧 吉野・・・よし、覚えた。ところで、手伝ってくれてありがとう。」
「礼を言われるほどのことはしていないぞ。」
「スプリング・モンキーの速さには正直オレもついていけなかった。あの速さをよく打ち破れたな。」
「修行の成果・・だが、正直今回は危なかった。発条猿があれほど速いとは思っていなかった。」
いつの間にか人間の姿に戻ったオルゾスも言った。
「お前、よくあの速さに打ち勝ったな。ん、ああ、私はオルゾスと言う者だ。」
「私は、ラグ様のしもべのミミです。よろしくお願いします。」
「さて、とりあえずこいつらを捕まえておかないとな。」
オレは辺りを見回しながら言った。気絶したデビルやらサイクロプスやらが倒れているのだ。
「しかしこいつらは何だったのだ?
 いきなりオレを殺そうとしやがって・・・」
「・・・おそらく魔王反対派の連中だろう。
 魔物でおまえを殺そうとする連中なんてそれしかない」
「・・・?魔王反対派?」

同志を殺しておきながら淡々としているオルゾスと、聞きなれない言葉に首をかしげる狭霧。
人間である狭霧の反応はわかるとしても、オルゾスの反応はずいぶんと冷たいものだった。

「ずいぶんと冷たいんだな、オルゾス。
 仮にもおまえの仲間だろ?」

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