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淫魔界にようこそ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔界にようこそ 23

四人が驚きの表情を浮かべる中、レイナがあっちゃあ、と内心で溜息をついた。

(魔術儀式の影響で一時的に半淫魔化しちゃったようね。まったく・・・このタイミングで来るなら皆に知らせるべきだったわ)

しかし、この程度など、まだ障害にもならない。
すぐ、このまま淫魔界へと転移を図ればいいことだ。

しかし、次の瞬間、レイナの背筋に幾多の戦場を駆けた経験による危機感が走り抜ける。

「っ!何なの?」

呪文を唱える言葉を続けながら周囲に感覚を走らせる。そして幾多の結界を由貴のように透過せず、ぶち壊しながら迫る気配が近づいてくるのに気付く。

「退魔士が来るわ!」

それはすぐさま気配だけでなく姿も見え出した。

地面から聳え立つ電柱。その頂点の部分を蹴りながらまるで三角飛びでもしているように数十メートルの距離を跳躍し、物凄い速度で迫ってくる黒衣の人影。手に持っている日本刀が閃く度に結界を破壊した反動である紫電が飛び散る。

黒衣の間から伸びる束ねた黒髪しか外見がわかるものが無い為、女性か男性かもわからない。しかしあれほどの身体能力と容易に結界を破壊する力は脅威だ。

既に彼女たちが魔力を使い切って疲労困憊している時ならば、なおのこと。

「早くッ!雄介を『扉』の中にっ!」

仲間達が光の繭となった雄介を浮き上げ、世界の断裂すわなち『扉』の中に運んでいく。

しかし、雄介の名前に反応したのは仲間たちだけじゃない。雄介の名前に由貴の淫欲に蕩けた瞳に僅かな光が灯る。

「ゆう、すけ・・・・くん。ああっ、雄介君・・・・のあれが、欲しいよぉ、雄介君、雄介くぅん」

由貴はそう言うと歩みを早げながら真っ直ぐに淫魔達に近付いて来る。

「どうするのよレイナ!貴女知ってて黙ってたんでしょ!何とかしなさいよ!」
「そうですわ…何か嫌な気配もしてきましたし」
「わかってるわよ!…」

他の淫魔達も退魔士が感じ始め皆が話し合う。
そんな中、由貴は徐々に淫魔達へと近付いて来る。

「わっ…わたしに…はあぁぁ…ちょ…ちょう…だい…」

由貴は欲情の赴くままに更に速足で近付く。
そして…

「うっ…うわぁぁ!離してぇでぇすぅ!!」

突然響くリガリアの叫び声…

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