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淫魔界にようこそ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔界にようこそ 21

目を丸くする雄介を囲むように五人の美人教育生――いや、五人の淫魔達は歌うように呪文を唱え始める。

雄介にはその言葉はわからず、歌う内容も理解できない。ただ、そこには神を吼える巫女達のような穢さざる神聖性と、高級な娼婦のみが持つ誇り高い色気が漂い、何者にも邪魔してはならない強迫感があった。

(な、なんだよ、これ・・・)

嫌な予感を感じるが雄介の身体は動けない。地面に走った赤い魔法陣から伸びた光が雄介を蜘蛛が獲物を捕らえるように絡めてくる。

苦しくはないが、耐えようもない恐怖が背筋を襲う。必死に引き離そうとするが、その光は更に雄介の目を覆い、耳を覆い、口を覆い、体中を覆い隠す。

既に雄介の身体は蜘蛛の糸に絡められた獲物のように朱色の光の繭と化していた。

五人の淫魔達もそれぞれ佳境なのか、肌には大粒の汗を浮かばせながらも、呪文は聖歌隊の輪唱のように徐々に大きく響き始め、屋上に張り巡らされた魔方陣も同様に深紅の光を迸らせ、空間に干渉、世界率に亀裂を走らせる。
まさに今、次元の扉が開かれようとしていた。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ちょうど、その頃、教室で帰り支度をしていた飛鳥山由貴は身体に感じる異質な感覚に戸惑いを覚えていた。
「ちょっと由貴、大丈夫?」
仲の良い友達が由貴が突然、かがみ込んだのを見て心配する。
「だ、大丈夫。ちょっと身体が熱いだけだから」
「熱いだけって・・・」
友達の少女は由貴を見て眉を潜める。
由貴自身にはわからないだろうが、頬を染め、気持ちよさに淀んだ瞳、紅潮した肌と僅かな喘ぎ声を漏らす唇など明らかに普通じゃない。

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