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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 98

「大和さん・・・・具合はいかがですか?」
よく見ると彼女も果物がはいったバスケットを持っている。
「危うく心臓を刺されるところだったけど、なんとか・・・うっ。」
できるだけおどけた調子になるように答えようとした大和だが、痛みが走って顔をしかめた。
『大和さん?!』
慌てて駆け寄る姫二人。
「だ、大丈夫。心配しないで……」
そう答える大和だったが、その表情は苦痛を隠せずにいた。
「とりあえず休んでてください。お腹が空いていませんか?今、リンゴを剥きますから……」
そう言うとレシアナ姫は、横たわる大和のベッド脇に置いてある椅子に座って、バスケットからリンゴと果物ナイフを取り出し、シャリシャリと皮を剥き始めた。
みるみるうちにレシアナ姫はリンゴを一個丸裸にすると、食べやすいように6等分に切り分け、その内の一個を大和の口元に運んだ。
「はい、大和さん。アーン……」
レシアナが天使のような笑顔で微笑んでいる。
「あ、ありがとう」
差し出されたリンゴを食べながら、大和はレシアナ姫の顔をジッと見ていた。
妹のラティア姫もそうだが、この姉妹は実に端正な顔をしている。例えどんな猛暑でも、汗などかくことはないのでは、と思えるほどに涼しげな顔つきであった。
「ちょっと、大和君……」
大和がレシアナ姫の方ばっかり見ていると、不意に別の女性の声がした。
「姉様の顔ばっかり見ていないで、私の方も見てほしいんだけど」
言われて大和は思い出した。この場にはもう1人、別の女性が見舞いに来てくれていたのであった。それはもちろんラティア姫である。
「ラ、ラティア……いや、これは、その……」
「私を無視して姉様の方ばっかり見るなんて、そんなに私がお邪魔かしら?」
ラティアがその大きくて黒い目で大和をジロリと睨み付けていると、
「うふふッ、そんなにカリカリしなくてもいいじゃない」
レシアナ姫が涼しい顔で話に割り込んできた。
「姉様は黙っててよ!」
「あらあら、そんなに怒った顔ばかりしていると、大和さんに嫌われちゃうわよ」
「な、なんですってぇ!?」
ラティアが顔を真っ赤にしながら激昂する。こうなると完全にレシアナのペースである。
「まったくもう、そんな性格だから15歳にもなってもボーイフレンドが1人も出来ないのよ。もう少しおしとやかになりなさい」
「な!?ほ、ほっといてよ。そんなこと姉様に関係ないでしょ!!」

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