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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 271

「では会議を終了する。皆のもの、ごくろうであった!」
トースモアの言葉に出席者がおのおの席を立ち会議室を後にしていった。この会議の決定を受けてあるものは顔を綻ばせながら、またあるものは憂慮しながら、それぞれの持ち場に戻っていく。
やがて会議室に残った者はトースモア王とヴェイン、アルテミスの三人だけになった。
「あれでよかったのか?」
トースモアが大きく息を吐き、疲れた表情を浮かべる。
「見事なご決断にございます」
国王である父に深々と頭を下げながらヴェインが言った。
「これで計画を実行に移すことが出来ます。全ては父上の助力があってこそだと」
「世辞なぞ無用じゃ。お主の言うようにルカジマとの同盟は我が王国にとっても有利なものだからな。儂は自国の未来に必要な選択をしたにすぎんよ」
「恐れ入ります。しかしまだ計画は始まったばかり。まだ油断は禁物にございます」
王子の言葉に国王とアルテミスが首肯する。
「次の一手は………メリツ修道院の姫君を引っ張り出すことであったな」
トースモアの言葉にヴェインが頷く。
「アーカートとティナが頷くかどうかが気掛かりですが………まぁ問題は無いでしょう。あの2人にしても我らにしても最早後戻りは出来ないところまで来ているのですから」
「ふむ。それにしても思い切った策を考えたものじゃな。お主らの進言通り、このまま問題無く進めば労せず旧アルテミス領が手に入る」
トースモアは数ヶ月前、人払いをした密室でヴェインとアルテミスから聞かされた策を思い返していた。
「あの時は馬鹿な事を考えると思っていたが、ここまで順調に事が進むとは………」
トースモアは感嘆すると同時に、この二人に一種の懸念を抱いていた。特にヴェインは実の息子ながら、その思考は全くと言っていいほど掴むことが出来ない。
不意にドアをノックする音が聞こえ、「失礼します」と言葉と同時にトースモアの側近が入ってきた。
「陛下。エリンネリーからの使者がお見えになりました。至急王座へお戻りください」
「わかった、すぐに向かう。………ではヴェイン、アルテミス。あとは頼むぞ」
トースモアは彼らを残して去っていった。
胸中では息子ヴェインのことを考えていた。
「底知れぬ奴に育ったものだ。父としては嬉しいが・・・・・・だが嫡子であるからには廃嫡でもせぬ限り謀反するようなことは無かろうが、問題はアルテミスか・・・。
いやさて、エリンネリーの使者か。同盟締結へ向けて詰めの交渉か。彼らの資力、情報網は捨てがたい・・・。」


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