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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 96

その奥、ポニーテールの女が腕組みをしながら立っていた。隣には、大和と同じルカジマ魔法学校の制服を着た女性とメイド服の女性が2人、穏やかな微笑を浮かべながら立っている。
「カスミ、それにセリスにシホも。みんなどうしたてここに?」
大和がそう言うと、
「大和。お前こそ、ここがどこか分かっているのか?」
カスミが答えた。
言われて大和は周囲を観察した。木造の部屋。そのベッドの上で大和は寝ている。
「王、王は今までお休みになられていたので気付いていないかと思われますが、ここはメリツ修道院ですよ」

レイの説明によると、こういうことらしい。


昨日の真夜中。
ほとんどの人間が睡眠中の時に、それはやってきた。
一台の馬車。戦闘に巻き込まれたらしく荷台はボロボロで、その見るからに怪しい様子に門番が尋問すると、応対した男は門番に向かって、
・男の名はカルラ。
・荷台には怪我人がいて、その怪我人はルカジマ魔法学校の生徒。
・その怪我人の名前は大和とかいう少年。
・オマエラじゃ埒があかない。今言ったことをルカジマ魔法学校のアーカートに伝えてこい。
と、言ったらしい。
普通なら追い返すところだが、荷台を見ると確かに怪我をしているらしく、少年が1人真っ赤に染まった床に寝転がっていた。
怪我人を見過ごす訳にもいかず、仕方なく先程カルラに言われたことをアーカートに伝えたところ、
「すぐにその少年を医務室に運べ!ぐずぐずするな!」
と、凄まじい形相で言われたそうだ。
それからは大変な騒ぎだった。
医師が呼ばれ、ロジモイやアーカートだけでなくレイやジェンと言った仲間達も病室に駆け付けたりと、真夜中だと言うのにメリツ修道院中が一時騒然となったのである。
それから一夜あけ、太陽が上空に昇りきった時、大和が目を覚ましたというわけである。


「………とまあ、そういうわけだ。とにかく心配してくれたみんなに感謝するんだな。全く心配させやがって」
怒っているような顔だが、カスミの目は笑っていた。
「本当だよ。で、王様。その胸の傷、一体誰にやられたんだい?」
ジェンに言われて、大和は怖々と自分の左胸に触れてみた。
「痛ッ!!」
触れた途端、鈍い痛みが大和の全身を駆け巡る。
「王、気をつけてください。まだ傷は癒えていないのですから」
「………う、うん、気をつけるよ。それより、他のみんなは?ガルドにエドウィンとサリナ、それにカルラさんは?」
「私ならここですよ、大和様」
言われて大和はベッド脇に魔法剣状態で立て掛けられているガルドに初めて気が付いた。
「おはようございます。と言っても、もうお昼ですけどね」

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