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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 95

足場が揺れ、男が体勢を崩した。
(今だ……!!)
カルラは腰を低くしながら、回し蹴りの要領で体を一回転させ、男の腹にキックを炸裂させた。まともに命中。男はその攻撃により、衝撃で馬車から派手に転落する………はずだった。ところが、
「痛ッ!!!!」
ダメージを受けたのはカルラの方だった。攻撃は確かに決まったのだが、同時にカルラは右足を思いっきり鉄の塊にぶつけたような鈍い感覚を味わったのである。
「ケケッ、痛いか?当然だな。鉄板を思いっきり蹴り飛ばしたのと同じだからな」
男が笑う。同時に、剣を横に薙ぎ払ってきた。カルラがとっさに回避する。しかし避けきれず、胸の辺りに血の糸がスーッと引かれた。
「なるほど、体を鉄のように固くする。それがお前の特殊能力か……」
「ケケッ、よく分かったな。俺の特殊能力、アイアンボディ。この能力さえあれば、オイラは少しのダメージだろうと食らう事はないんだよな〜。ケケッ」
男の全身がどんどん銀色に染まっていく。ほんの数秒足らずで、男は鉄の塊となってしまった。
「チッ、あのアイアンコブラの女もそうだが、最近鉄関係が多い気がするのは気のせいか?」
ぶつぶつぼやきながらも、再びカルラは身構えた。
「ケケッ、素手で俺に勝とうってか。ケケッ、生半可な攻撃は俺には効かねぇぜ」
男が再び襲いかかってきた。
低い息遣いがカルラの口から洩れる。かわすようにカルラは1歩後退し、2歩前に出た。そして、
「デモンズ・クラッシュ!!」
鋭い雄叫び。胸の真ん中。直撃した。男の胸に巨大な空気穴が出来る。
「……がは!!……そんな……馬鹿な」
男が体勢を崩し、馬車から転落した。それから大の字になって地面に落ち、そのままピクリとも動かなくなった。
「………ふぅ」
息を整えたカルラが下に戻る。ガルドが何か言いたげな表情をしていたが、彼はそれを無視した。
馬車はいつの間にか、ゴートを脱出していた。



ここはどこ?
闇の中、意識が戻りつつある状態の中で、大和はそんな事を考えていた。
耳元で複数の女性達の声が聞こえてくる。どれも大和には聞き覚えがある声だ。自分を心配する声。それらの声を頼りに、大和はゆっくりと目を覚ました。
自分の顔を覗き込んでいる女性達の顔が見えてきた。
「あ、王……」
一番大和の顔の近くにいた女性が呟いた。今にも泣き出しそうな表情をしている。
「王様、やっと起きたんだね。みんな心配したんだよ」
その隣にいたショートカットのヘアスタイルをした黒髪の女性が元気な声で言った。
「やあ、レイ。それに、ジェン……」
大和は2人の名前を言った。すると、
「2人だけじゃないんだがな……」

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