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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 94

「な、何よ。それ……」
サリナの声が怒りで震えている。隣のエドウィンもサリナと同じ様子だ。しかし、ガルドは違った。
「アンタ、最低の男よ。心底見損なったわ。もういい、アンタなんかに頼らないわ。私一人でも彼女達を助けに……」
次の瞬間、サリナは首筋に手刀をくらい気を失った。
「お許しを、サリナさん」
手刀の犯人、ガルドが呟いた。そして、
「しかし、私は大和様の魔法剣。あなたの無謀な行動によって、大和様の身を危険にさらすわけにはいきません。それに、御友人のあなたが死ねば大和様も大変悲しむでしょう。一時の感情で無闇に動いてはなりません。エドウィンさんも、いいですね?」
有無を言わさぬガルドの鋭い睨みがエドウィンを直撃した。
それを見たエドウィンがコクりと頷く。足がガタガタと震えている。始めてみるガルドの妖絶な殺気に驚きを隠せないようだ。
ガルドは気絶したサリナを床に横たえると、前方で馬を操作しているカルラの側に近づいてきた。
「悪いな。汚れ役みたいなことやらせちまって……」
「気にしないでください。私は大和様のためにやったことですから。あなたのためではありませんわ」
カルラは若干真面目な表情を浮かべながら、
「とりあえず、町を脱出したところでチビスケに簡単な応急処置をする。お前にも手伝ってもらうぜ」
ガルドが頷いたその時だった。

ボサッ………

馬車の天井に張ってある幌から柔らかい音がした。気になったエドウィンが上を向いたその瞬間、
「うわぁ!!」
銀色に輝く剣が幌を突き破り、エドウィンの鼻の先を掠めたのである。
「チッ、屋根の上か……」
カルラが握っていた手綱をひとまずガルドに手渡し、屋根の上へと登っていった。
「ケケッ、自分から死にに来たのか?馬鹿な奴だ、すぐ楽にしてやるぜ」
そこにいたのは、浅黒い肌をした見るからに小悪党そうな男だった。右手には剣がしっかりと握られている。
「おい。誰に断って俺様の馬車の上に乗ってやがんだ?さっさと降りな」
本当はポーランの馬車なんだけどな。カルラがそんな事を考えていると、
「ケケッ、……なら、力ずくで降ろしてみな!!」
男が襲いかかってきた。それをかわし、カルラも戦闘体制に入る。
狭く足場が悪い幌の上、おまけに動いている馬車の上での戦闘はバランスを崩しやすい。カルラは攻撃をかわしながら、相手がバランスを崩すのを狙っていた。
そして、チャンスはすぐに訪れてきた。
男が剣を降り下ろしてきた時、馬車が大きく右にカーブしたのだ。

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