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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 93

2人がポーランの屋敷の門の前にたどり着くと、屋敷の中から全身びしょ濡れ状態のエドウィンとサリナが飛び出してきた。どうやら四天王ブリガンディが退却したことにより、彼らを動けなくしていた氷も、自動的に解除されたらしい。
「ちょっと、今の音は何よ?ていうか、何で私達ずぶ濡れなのよ?寝ながらお風呂なんて入るわけないし……」
大声でわめきちらすサリナだったが、こちらに近づいてくるカルラが、全身鮮血で真っ赤に染まった大和を担いでいることに気付くと、態度が一変した。
「え?………ち、ちょっと、ねぇ、大和。一体どうしたのよ?」
「おい、大和。しっかりしろよ!おい、大和!」
エドウィンとサリナが大和に近づいてくる。気のせいか、2人の顔からは血の気が失せていた。
カルラは大和を2人のクラスメートに任せると、ガルドと一緒にダッシュで屋敷の裏にある馬車小屋に向かった。
中に入ると、元気のいい馬が3頭、飼われていた。奥には小さいが豪奢な馬車が1つ、置かれている。
カルラはその3頭の馬をジッと観察した。そして、
「よし、これにしよう」
おもむろに1頭の馬を選ぶと、ガルドと一緒にその馬を手際よく馬車に繋げた。
「…………よし、これで。おい、準備出来たぞ。乗れ、魔法剣女!」
「私の名はガルドです。大和様もそうですが、チビスケなどという変なあだ名をつけるはやめていただきたいのですが」
「へッ、これは俺の趣味なんだよ。やめたくてもやれられないんだよな」
カルラが馬に鞭を入れる。ゆっくりと馬車が動き出した。さらに鞭を入れ、スピードをあげる。
スピードをあげているうちにカルラ達の馬車は、屋敷の玄関の前にたどり着いた。
エドウィンとサリナがそれに気づき、大和を慎重に担ぎながら馬車に乗り込む。
「しっかり捕まってろよ!!」
馬車が発進し始めた。徐々にスピードをあげていく。最初にした爆発音は、いつの間にか人々の悲鳴に変わっていた。
「待って。ミシェルさんとポーランさんは?」
「あの2人か。俺が知るわけないだろう」
「知るわけないって、何冷たい事言ってんのよ!早く馬車を戻しなさい。2人を助けないと……」
「それは出来ないな」
馬に鞭を入れながら、カルラが平然と言った。
「な、何よそれ。ミシェルさん達がどうなってもいいっていうの!」
信じられない様子で睨み付けながらサリナが食って掛かった。
「この状況で引き返すなんざ、無謀にも程があるぜ。明らかに自殺行為だ。もうすぐゴートを脱出する。それまで黙ってろ」
それに……とカルラは言葉を続けた。
「俺がアーカートに依頼された内容はお前達3人のメリツ修道院までの護衛だ。オマケで、そこの魔法剣女を入れてやってもいいが、あの2人はどうなろうが俺の知ったことじゃねぇな」

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