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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 89

悪魔のオーラと氷のオーラ。2つの力がぶつかり合い、互いに一触即発の状態となったその時、
「随分楽しそうですねぇ、ブリガンディ」
背後から女の声がした。くぐもった声。この声にカルラは聞き覚えがあった。
「テメェ、エルザト……」
「それにしても、これほどの力とは……どうやら、あなたを少し見くびっていたようですね」
カルラの背後から5mくらい離れた場所でエルザトが感嘆の声をあげた。
(コイツがここに来た。と言うことは、チビスケが……マズイ)
「おい、仮面女。チビスケはどうした?」
「あの少年のことですか。今頃、天国で女性と戯れているんじゃないですか?」
「何だと……」
「私としてはあなたも始末したいところですが、私達の目的は太陽の紋章。それを手に入れた今、ここに用はありません。ゆえに、退かせていただきます」
「太陽の紋章?なんだそりゃ?」
「ふっ、まさかアイアンコブラに擬態しているとは思ってもいませんでしたよ」
(アイアンコブラ?あの自分を守護神とかいってたマタの事か?)
カルラがそんなことを考えていると、
「退くぞ、ブリガンディ!」
と、エルザトが叫んだ。
 
 
 
「うっ・・・ここは・・・。」
大和は周囲を見回した。
あたりは一面に花が咲き誇り、彼方には川だろうか。静かな水面。
「確か僕は・・・・・」
ゆっくりと立ち上がり、静かに歩き出す。川に向かって。
川向こう、遠くにうっすらと人影が見える。
「・・・・だよ・・・」
「・・・・だよ・・・・」
「・・・ちゃだめだよ・・・・」
若い女の声がした。
「………誰?」
この声に聞き覚えがあるような気がする。遠い昔、子供の頃聞いたことがあるような懐かしい声。かと思えば、今始めて聞いたような声でもある。
どこか漠然とした心の迷いを、大和は整理できないでいた。
「……来ちゃだめだよ……」
女のところに向かって大和は歩きだした。
川に入り、グッショリと足が濡れる。しかし、そんなことは気にもならない。大和はひたすら川の向こう岸に向かって進んでいた。
(………君は誰だ?)
それだけを胸に大和は歩いていた。
ところが、
(………何だ?)
進んでも進んでも川の向こう岸にたどりつけない。後ろを振り返ると、大和は川の中心部におり、確かに進んではいる。しかし対岸の女を見てみると、女との距離は先程と全く変わっていない。
試しにもう少しだけ歩いてみる。しかし、結果は同じ。大和は女に近づくどころか、顔を確認することさえ出来なかった。
(……いったいどうなってるんだ?)
というより、ここは何だ、と思うべきだろうか。

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