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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 88

「そうかぁ……最初からおかしかったんだよなぁ。何でゴートにいる人間の中でお前だけ凍らなかったのか。……例の小僧だけは意図的に除外して、他は凍っているはずなのに。何でお前だけ?……それが今分かったぞぉ。……おいらの技、フリーズスリープは普通の人間にしか効果がねぇ。魔族やエルフ族、おいら達新人類とかには、全く効果が得られない技なんだぁ。そして、凍ってないということは、お前は普通の人間じゃあねぇ。それに、お前はどう見てもエルフにゃあ見えねぇ。そうなると……」
「俺は魔族か新人類のどちらかってことになるな」
何でもないことのようにカルラが言った。すると、ブリガンディが首を横に振りながら、
「いんや。お前から漂う臭いは、魔族とは全然違う臭いだぁ。お前からは、おいら達と同じ臭いがぷんぷんする。つまり……お前はおいら達と同じ、新人類ってことだなぁ!」
と、まるでカルラを非難するような目で言った。
「正解。よく分かったな。誉めてやるぜ」
「ふざけるなぁ!!」
ブリガンディが周囲に怒声を轟かせた。
「それなら、何でおいら達と一緒に戦わねぇんだぁ。何で人間の味方をするんだぁ。特殊能力を操れるという理由だけで、アイツラがおいら達に何をしたと思ってるんだぁ!」
新人類。魔力を一切使わずに様々な特殊能力を操れる者達。彼らは、ただ魔法とは違う不思議な能力を操れるというだけで、人間魔族問わず、差別され迫害されてきた。ブリガンディも、その1人だったのだろう。
「おいらはアイツラに分からせてやるんだぁ。この世界を制するのは、サンクキングダムでもなければ、魔王ハデスでもない。真の王は、おいら達新人類の救世主、覇王シヴァ様只1人だとなぁ。そのためならおいらは、人間も魔族も全員皆殺しにしてもかまわねぇだぁ」
「それだよ」
カルラがようやく口を開いた。
「おまえら四天王がやってんのは、只の虐殺だ。殺戮欲と支配欲に群がった醜い連中。そんな奴らが世界を制するだぁ?笑わせんじゃねぇよ!それにな……」
不意にカルラの表情が、優しく穏和なものへと変わった。
「俺はまだそこまで、人間や魔族に絶望しちゃいないんだよ」
ブリガンディは黙ったままだった。
しばしの沈黙があった。
「カルラ・バルカイザー………とか言ったなぁ」
「気安く人の名前呼ぶんじゃねぇよ」
「……お前、やっぱり今、殺しといたほうがいいなぁ」
不意にブリガンディの殺気が、一気に膨れ上がった。この男もまだまだ底が見えない。
「死ぬのはテメェだ。ブリガンディ」
カルラが言った。同時に右腕からほとばしるオーラが、さらに激しさを増していく。

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