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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 85

「この氷の世界じゃ、おいらに勝てねぇぞぉ」
余裕の表情でブリガンディは佇んでいる。それと同時に、再び氷の槍が背後から現れ、カルラに襲いかかった。
「ぐあっ!」
カルラの左肩から鮮血が吹き出した。迎撃しきれなかった槍が、彼の左肩を貫いたのだ。
しかし、痛みに気をとられてはいられない。一瞬の気配を感じて、カルラが横に転がった。
次の瞬間、先程カルラが立っていた地面から氷柱が出現。紙一重のところで回避に成功する。
「チッ、この野郎……」
起き上がり、反撃に移ろうとしたカルラだったが、
(……足が……動かない!?)
足が微動だにしない。まるで地面から生える木になったようだ。
咄嗟に足元を見たカルラが目にしたものとは、
「………俺の足が……凍っている!?」
その言葉通り、彼の両足は、見るからに分厚い氷に覆われており、全く身動きがとれなくなっていた。
試しに足を動かそうとするが、全く動かない。さらに悪いことに、彼を覆う氷は、足首から膝、そして腿と、少しずつだがどんどん上昇してくるではないか。
「最初から、こうすりゃよかったなぁ」
ブリガンディが言った。腰まで凍ってしまったため残った上半身を動かして必死の抵抗を試みるカルラだったが、やがてそれも胸や腕、そして掌にまで侵食してきた氷に強制的に止められた。
もはやカルラの体で氷に覆われていない部分は首の上だけとなっていた。全身が凍りつくのも時間の問題である。
「じゃあな、最後に言い残すことは、何かねぇか?」
「……………」
このブリガンディの問いに、カルラが答える事はなかった。
やがて、カルラの全身が氷で埋め尽くされた。それは、まるで生きているかのように良くできた氷の彫像のようだった。



一方、周囲の様子がおかしいことにエルザトも気付いていた。
(……ブリガンディが特殊能力を使ったのか。……奴をそこまで追い込むとは、あの男……一体?)
その時、
「うおぉぉぉぉ………!!」
雄叫びをあげながら大和が踊りかかった。だが、
ヒュンッ!!
エルザトはほんの少し後ろに下がるだけで、大和の攻撃を避けた。
大和とエルザトの戦いは、まさしく子供と大人の戦いだった。
大和は力任せに剣を振り回すだけ。そこには、剣術も何も存在しない。一方のエルザトは、緩急のついた巧みな剣術を使ってくる。彼女は1つの線の上を前後に動くだけ、しかも足の動きで常に完璧なバランスを保ち、下がったと思えば不意に進み出て、効果的な一撃を加えてくる。

ヒュンッ!!

エルザトが反撃に出た。2本の剣が、まるで生きているかのように振り下ろされる。大和は防御するだけで精一杯だった。

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