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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 84

その言葉と同時にカルラが動いた。動いたのは左手。狙いはブリガンディの右脇腹。……のはずだった。しかし、
「ごふっ!!」
カルラの攻撃を防御しようと動いた直後、ブリガンディの腹にカルラの右パンチが炸裂した。
前の一撃もそうだった。カルラが攻撃し、ブリガンディが防御しようと動いた直後、全く別の攻撃に切り替える。右と思えば左、上と思えば下といった感じで、カルラは四天王が1人、氷帝ブリガンディを完全に翻弄していた。
「おめぇ、ただの人間じゃねぇなぁ……」
よろめきながらブリガンディがうめくような声で言った。
「へっ、四天王っていうのも全然大した事ねぇな。悪いが次で決めるぜ」
カルラが自信満々の笑みを浮かべていると、
「………ククククク。おめぇ、まさか、おいらに勝とうなんて、思ってんじゃねぇだろうなぁ?」
ブリガンディが言った。その声は、押されているにも関わらず、完全に落ち着き払っている。
「そのまさかだぜ」
カルラの勝ち誇った返答。すると、
「……それは、これを見てからいうんだなぁ!!」
ブリガンディが叫んだ。その直後、ブゥンという低い音と同時に、氷のように冷たい殺気が彼の全身を包み込んだ。
ブリガンディがニヤリと笑う。すると、彼の両方の瞳がルビーのように赤く輝き始めた。全身から放たれる殺気は青いオーラとなり、どんどん勢いを増していく。
(……なんだ?)
カルラがそう思ったその時、
「……見せてやらぁ。おいらの特殊能力、“領域(テリトリー)”をな!!」
ブリガンディが言った。その直後、

パリンッ………

何かが固まったような音がした。
カルラが辺りを見回す。どこか様子がおかしい。それに、寒い。彼は身震いしながら、ふと空を見上げた。すると、

夜空が青く染まっていた。

「ようこそ。氷の世界へ……」
ブリガンディの低い声がよく響いた。
「氷の世界……だと?」
「驚いたかぁ?この世界はおいらが作った世界。半径はおよそ10km。ゴートの町が、まるごと入っちまってるなぁ。そして、この中なら、おいらの能力、水と氷が最大限に使用できるんだぁ。例えば……」
ブリガンディがパチンと指を鳴らした。
刹那、彼の背後から氷で出来た小さい槍が、何十本と現れた。
「こんなのとかなぁ!」
氷の槍が合図と同時に、カルラに襲いかかった。
「チッ!!」
カルラが迎撃した。破壊された氷の槍が、結晶の粉となり、地面に舞い落ちる。しかし、氷の槍はブリガンディの背後から次から次へと出現し、間髪入れずにカルラに襲い掛かってくる。
「………!!」
カルラが突如、後ろにジャンプした。その刹那、上空から氷柱が落ちてきて、地面に突き刺さった。

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