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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 81

(な、なんだ……こんな時に……)
こんな状況なのに反応してしまう自分のペ〇スを不謹慎に思いながらも、大和は目の前に立ちはだかる女に奇妙な気配を感じた。そう、まるで数年間音信不通だった昔からの親友に、ある日偶然町で再開した時のような。そんな懐かしい感じを。
(僕は……この人を知っている?…誰だ?)
大和は必死に思い出そうとした。しかし、思い出せない。やはり気のせいなのか。
(……くそ、思い出せない。この人は、一体?)
「ふん、もういい。無駄な殺生はしたくなかったが、君が死んでからゆっくり探すとしよう」
先程と変わりない平坦な声で、エルザトは大和に死の宣告を口にした。
「さよなら」
エルザトの剣が動いた。その切っ先は、一直線に大和の首を狙ってくる。
(……ここまでか)
迫り来る切っ先を見上げながら、大和がそう思ったその時だった。
「大和様。逃げて!」
突如、女の声がした。エルザトの仮面越しの曇った声ではない。そして声と同時に、反射的にエルザトがジャンプした。
エルザトがジャンプしたのと同時に、その場に鉄で出来た丸太のような物体が飛び込んできた。
「馬鹿な、アイアンコブラだと!?」
着地したエルザトが珍しく驚愕する。
(……アイアンコブラ?……まさか、マタ!)
「貴様の相手は、この私だ!」
アイアンコブラの姿をしたマタは、まるで猛獣のような気配を出しながらエルザトに襲い掛かった。
「チッ、何故こんなところにこんな奴が!?」
疑問を口にしながらも、剣を構え応戦するエルザト。
目の前で繰り広げられるマタとエルザトの死闘を見ながら、大和が痛みを堪えながら言った。
「や、やめるんだ。……マタ」
しかし、全身傷だらけの大和の声では彼女に届くはずもない。
大和はガルドを杖に、ふらふらと立ち上がった。
(マタ……いくら君でも、そいつには勝てっこないんだ)



「オラァ!!」
「どおりゃああ!!」
ブリガンディの拳が空を切り、カルラの拳がうねりをあげる。
2人の死闘は、ゴート中心部にある噴水の周りで繰り広げられていた。最初に大和がエルザト達に襲われた場所から、かなり離れた場所である。
当然、大和達がどうなっているかなど、この2人に分かるはずもない。それどころか、アイアンコブラのマタが参戦しているなど、誰が予想出来ようか。
ボゴッ!
シュッ!
ピシバーン!
「畜生、この岩野郎が・・・・」
カルラは大和の戦況が分からないことに苛立ちながらブリガンディの攻撃をかわし続ける。そればかりか反撃もしているのだが、あまりダメージを与えた様子が感じられない。
 
 
 
 
「マタ!やめるんだ!君では勝てない!」
「フシャアアア!!」
「おのれっ!」
血達磨になった大和の眼前でエルザトとアイアンコブラ・マタとの勝負が続く。
 
その時だった・・・・
 
どくん!!
 
大和の心臓がひときわ大きく弾む。

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