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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 79

ニヤニヤと下品な笑みを浮かべている巨人の足の下には、まだ10代の少年が見るも無惨な哀れな姿で息絶えている……はずだったのだが、
「あれ〜、おかしいなぁ。あの小僧がいないぞぉ」
大和の死体など影も形も無かった。青い巨人が首を傾けながら足下をキョロキョロしていると、
「随分と面白そうな連中じゃねぇか、チビスケ。俺も混ぜろや」
大和を脇に抱えながら、挑戦的な笑みを浮かべているのは、
「カルラさん!!」
「ギリギリだったな。あと1秒遅かったら、お前ぺしゃんこだったぜ」
「あれ?でも、カルラさん、どうして凍ってないの?」
「あ?何意味わかんねぇ事言ってんだ、チビスケ」
大和が不思議そうな眼差しでカルラを見た。
その一方で、襲撃者の2人もカルラの登場には驚きを隠せない様子だ。
「ブリガンディ。どういう事だ?」
「どういう事って、おいらにもわかんねぇなぁ。何でアイツだけ、凍ってないんだぁ?」
「……ふん。貴様に期待した私が馬鹿だったよ」
仮面の女の声には明らかに怒気が含まれていた。
「そんなこと言わねぇでくれよぉ、エルザトォ」
「ブリガンディにエルザトだと!」
その時、カルラが珍しく驚愕の声をあげた。
「氷帝ブリガンディに剣神エルザトか。チビスケ、大した連中に目つけられてんな。お前何者だ?」
「ブリガンディにエルザト。聞いたことある。まさか………四天王!」
「そのまさか……らしいぜ」
大和は思わず身震いした。全身から冷や汗が流れる。当たり前だ。四天王とまともに戦って勝てるわけがない。
彼は隣にいるカルラの顔をチラッと見た。カルラなら何か考えてくれるかもしれないと思ったからだ。この絶体絶命のピンチを切り抜けることができる。そんな策を。
ところが、
「……………クス」
彼はこの状況にも関わらず、笑っていた。まるでこの窮地を楽しんでいるかのような、そんな冷たくゾッとするような笑み。
「………カ、カルラ……さん?」
「……チビスケ、お前は下がってろ」
カルラが平坦な声で言った。
「お前の実力じゃ勝ち目は0に近い。死にたくなけりゃ俺様の邪魔すんじゃねぇよ」
「邪魔する気か?」
エルザトが言った。こちらも平然たるものだった。
「悪いが、私は貴様なんぞに構っている暇はない。ブリガンディ、お前がやれ。私は小僧から紋章の在りかを聞き出す」
相変わらずの命令口調にブリガンディがムッとする。
「なんでおいらが?お前がアイツの相手しろよぉ」
「ほう……奴が自由に動けるのは貴様の責任ではないのか?」
「……チッ、分かったぁ!」
言い終わると同時に、ブリガンディの体が飛んだ。

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