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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 78

「一体何のことを言ってるんだ?太陽の紋章なんて物、僕は知らない!」
大和が言い終わるのと同時に、仮面の女が動いた。
彼女は目にも止まらぬ速さで大和に接近。そして、その腹に強烈な正拳突きを食らわせた。
「がはッ!!」
大和の体が宙を舞い、民家の壁に激突した。木製の壁が壊れ、辺りに耳障りな音を立てる。
「隠し事は君の為にはならないと思うがな」
痛みを堪える大和に近づきながら女が言った。
「く、くそっ……」
女に毒づきながら大和がフラりと立ち上がる。
(駄目だ。……悔しいけど、僕の力じゃ全く歯がたたない。一体どうすれば………)
ガルドを真っ正面に構えながら、大和はこの状況を乗り切る策を考えていた。しかし、焦りからかなかなか良い考えが浮かばない。
(……全力で走る。……駄目だ、僕のスピードじゃ簡単に追い付かれる。……一か八か戦ってみる。……違う、どう転んでも僕では無理だ。と、なると……)
仲間を呼ぶ。特にカルラ。彼ならこの仮面女とも互角に戦えるかもしれない。そのためには、何とかして自分の今の状況を伝えなければ。
ところが、
「仲間を呼ぼうとしても無駄だ。助けなど誰も来ない」
仮面の女が、まるで大和の心を読んだかのような事を言った。
「君は気付かなかったか?先程の壁が壊れた音。何故あれだけの音がしても、その家の住民は飛び起きてこないのかな?」
そんなこと。今の大和の状況では気付けるわけがない。
「教えてやろう。この家の者だけではない。このゴートの町の住人全員が、眠っているのだよ。正確には凍っていると言った方が正しいのかな。今、この町で正常なのは、私と術者、そして君の3人だけだ。仲間達が助けに来るわけがない」
女がせせら笑う。
「町全体を凍らせたって……一体いつの間に」
「君がポーランの屋敷を出たあとだ。君の動きは監視していたからな。今夜、君が1人になる機会をずっと待っていたのだよ。……さて、世間話は終わりだ」
大和の目の前に立った女が剣を大和の喉元に突き付けた。
「素直に紋章を出せ。出来ることなら勝敗の見えた勝負はしたくない。私は、紋章さえ手に入ればそれでいいのだよ」
「だ、だから……本当に紋章なんて知らないって」
「エルザトは甘いなぁ」
その時、女とは違う声が聞こえた。声の主はどう考えても男である。
「少しくらい痛みつけた方が、答えやすくなるんじゃねぇかぁ?」
「やめろ、ブリガンディ!」
女が叫んだ。男の声は大和の頭上から聞こえてくる。
咄嗟に上を向いた大和の目に飛び込んできたものは、身長3mはあるであろうゴツゴツと岩のような皮膚をした青い巨人が、自分目掛けて降ってくるところであった。
こんな奴に踏まれたら即死は免れない。
(………殺られる!)
そう思った瞬間、青い巨人がズシーンッと嫌な音をたてながら着地した。

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