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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 68

「ポーランは若い頃から仕事も出来て、人望もある才気溢れる男だったらしい。ところがある日、ポーランのガキの頃からの親友だった男が家に忍び込んで財産を持ち逃げしちまったんだと。それ以来、ポーランは誰も信用しなくなったんだと」
「そんな事が……」
「この屋敷見てみろよ。こんなデカイのに、住んでるのはポーランと娘のミシェルの2人だけだぜ。今じゃ、迂濶にポーランに近づけるのはミシェルだけなんだと」
「奥さんはいないんですか?」
「夫人は病で既に亡くなっている。その直後に財産盗まれたらしいからな。相当ショックだったんじゃないの」
「………………」
「俺達だってそうさ。ポーランは笑顔で応対していたけど、裏じゃ何を考えているんだか………」
「すまない、随分待たせしてしまったようだね」
突如、食堂にポーランが入ってきた。背後にはミシェルがピッタリと付き添っている。
「ん?どうかしたかね、大和君?」
ポーランが視線を大和に向けてきた。
「え!いえ、別に何も……」
「ふむ、そうかね」
大和を不思議そうな表情で見ながらポーランが席に座った。
「そう言えば、客人が1人増えたのではなかったか?ここにはいないようだが……」
「あぁ、マタなら夕食はいらないそうだぜ。何でも、私は別の形で食事をさせてもらいます、だと」
別の形という部分が、引っ掛かった。それが何だか、大和には大体想像がつく。ガルドを見ていれば、瞬時に分かることだ。
「ふむ、意味がよく分からないが……まぁ、とりあえず食事にしようか」
ポーランの合図と共に、食堂にいた客人全身が料理に飛び掛かった。
「これは貰ったぜ!」「あ、それ私が狙ってたのに!」「うるせぇ、早い者勝ちだ!」「みんな、もう少し落ち着いて……」「大和、早く取らないと無くなるぜ!」
激しい夕食である。とてもじゃないが、金持ちの家の食事とは思えない浅ましい光景が広がっていた。カルラとサリナが1つの料理を奪い合い、エドウィンがその漁夫の利を得ようと手を伸ばす。
(……とてもじゃないけど付き合いきれない)
大和がメインディッシュを諦め、サラダに手を伸ばした時、
「大和君、良かったらどうぞ」
ミシェルが隣に立っていた。手には山盛りの料理が載っている皿が添えられていた。
「あ、ありがとう」
お礼を言って皿を受け取った大和だったが、載っていた料理を見て、
(これ、食べれば精力がつく物ばかり……だったような……)
隣を見るとミシェルが意味深な微笑みを浮かべている。そして、
「今夜、部屋にいてくださいね」
そう耳元で呟き自分の席に戻っていった。
(……参ったな)
この後の展開を想像して、ニヤニヤと終始締まりのない顔になってしまう大和であった。


夕食終了後。

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