PiPi's World 投稿小説

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 64
 66
の最後へ

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 66

「何故、とお思いでしょうね。しかしこれは説明出来ません。ついでに、私はあなたの名前、あなたの仲間達の名前からあなたの過去まで、私は知ってしますよ」
「ちょっと待ってよ。僕の過去?」
大和が自分の過去を話したのはリクゥとガルドだけなのだが。
「だから、私にも分かりません。ただ分かってしまったから、としか言いようがありません」
「……………」
「とにかく、私の使命はあなたをお守りする事です。それ以上でもそれ以下でもありません。よろしいですね、大和様」
それだけ言ってマタは口を閉ざした。大和がコメントを言う前に、
「ゴートに着いたぞ。早くポーランの屋敷に帰ろうぜ。腹減ったぜ、マジで」
威勢のいいカルラの声が聞こえた。ようやく帰ってこれたのである。



「お帰りなさいませ。皆さんご無事で何よりです」
屋敷に戻ると、深々と一礼しながら、ミシェルが出迎えてくれた。
「父が首を長くして待っていますわ。あら、そちらの方は?」
「マタと申します。どうぞよろしく」
マタが頭を下げる。
「あら、あなた達のお知り合い?」
「え?……ええ、似たようなものです」
あたふたしながら大和が答える。
「そう。なら、早速新しい客室を用意しないと……」
「私は構いませんわ。大和様と同じ部屋で」
瞬間、ミシェルの目がきつい眼差しに早変わりした。
「あら、そういうわけにはいきませんわ。大切なお客様同士が相部屋なんて無礼な事は出来ません」
しかし、表面上は平穏を装っていた。ミシェルとマタ。2人の間に冷たい空気がゆっくりと流れる。
これを見て、大和はあたふた、エドウィンは我関せず、サリナは大和を見てニヤニヤ笑い、カルラはこの大和を巡る修羅場を楽しんでいるように見える。
(……何でこうなるのかな?)
マタと同伴すべきかしないべきか。大和にとってある意味究極の決断であった。



数分後、一同がさんざん揉めた結果、別々の部屋にする形で決着がついた。
とはいっても、マタの客室は大和の客室の隣であるから、結果だけ見れば大して変わらないかもしれない。
とりあえず、カルラ・マタと別れた大和達はミシェルの案内でポーランの部屋に通された。
「やあ、お帰り。その様子だと、プライム石は見つかったみたいだね」
ポーランが笑顔で出迎えてくれた。大和が懐からプライム石を取り出す。
「うむ。まさしくプライム石だ。おめでとう3人とも、これで実地試験は合格だな」
「………実地試験?」
大和達の脳裏をクエスチョンマークが乱舞する。
「おや、気付いてなかったのかい?今回の君達の旅は、ルカジマで行われる前期期末試験だったのだよ」
「期末……試験?」
「うむ。アーカート君の要請でな。ルカジマでは成績をつける際、筆記試験と実地試験があるらしいではないか。その実地試験の試験地に、このゴートが選ばれたと言うわけだ」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す