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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 65

大和が何も言わないでいると、
「鉱山の周辺には魔王軍の手下達が配置されている。奴らにお前と僕が一緒に鉱山を出てくるのを見られる事は、お互いの立場上かなりマズイ事だ。ここは別々に出よう」
リクゥの表情はどこか悲しげに見えた。自分達の立場を改めて痛感したからであろう。
「………?大和、それどういう意味なの?リクゥ君と一緒に行きましょうよ」
事情を知らないサリナがリクゥを見ながら言った。
そんなサリナを無視し、大和とリクゥは互いを見つめあった。そしておもむろに、
「……わかった。ここで別れよう」
とだけ言った。
「おい、お前何言ってんだよ」
「ちょっと大和。こんな小さい子を置いてきぼりにするつもりなの?」
それを聞いたエドウィンとサリナが大和に激しく突っ掛かる。
しかし、大和は彼らの抗議を無視。その場を去ろうとした。
「橘 大和!」
大和の足が止まる。
「……今度は会う時は敵か味方か分かんないけど、……またな」
大和が振り返る。
「大和でいいよ、リクゥ」
それだけ言って、彼は再び歩き始めた。
去っていく大和の背中にリクゥは小声で言った。
「……ああ。またな、大和」



「まったく、大和ったら見損なったわよ」
ゴートに向かう帰り道、サリナは四方八方に不機嫌オーラを出しまくりながら歩いていた。
「リクゥ君、大丈夫かな?もし魔物に襲われてたら大和のせいだかんね!」
大きな瞳でサリナが大和を横目で睨んでいると、
「大丈夫だろ。あの赤髪小僧、結構高い魔力を持ってたし、並の魔物じゃあ相手にならねぇよ」
アクビをしながらカルラが言った。
「そういう問題じゃないでしょ!エドウィンも、なんか言いなさいよ!」
「え、俺?」
そんな会話をしながら前を歩く3人を見ながら、大和は自分と肩を並べて隣を歩いているマタに尋ねた。
「ねぇ、マタ。君は一体何者なの?」
マタは大和の顔をジッと見つめたまま答えた。
「私の名前はマタ。あなたを守る守護神です」
「それはさっき聞いたよ。僕が知りたいのはそういう事じゃないの」
「では、あなたは一体何を知りたいのですか。大和様?」
マタが妖しく色っぽい眼差しで大和の顔を覗き込んできた。
「それだよ、マタ。何故君は僕の名前を知っていたの?」
「さぁ、分かりません」
マタがあっけらかんと答えた。
「わからない?」
「はい。私は長い歳月を眠っていました。気の遠くなるくらい長い時をです。しかし、私は突然目覚めました。アイアンコブラとして、ですけどね」
「………………」
「もっとも、その時の私は、ただ本能のままに暴れていただけでしたけどね。ところが、先程あなたと出会ったとき、私は自分の為すべき事を理解したのです」
「………………」

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