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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 64

「ふぁ〜あ、なんか急にしらけちまったぜ。せっかく俺様の華麗なる活躍が披露出来ると思ったのによ」
「ふふ、すみませんね」
カルラがあくびをし、両手を頭の後ろに回しながら言った。すると、何かを思い出したかのように、
「そうだ、チビスケ。お前、あれ見つけたのか?プライム石とかいう鉱石?あれ無いとまずいんだろ」
言われて思い出した。この鉱山に入ってから、リクゥと遭遇したり、彼と協力したり、いきなりマタとかいう謎の女が出てきたりと、予測不可能な事が数多く続いたせいで、当初の目的をすっかり忘れてたのである。
「そうだよ。大変だ、早く探さないと……」
焦る大和。ところが、
「プライム石ですか?それなら、私持ってますけど」
マタは艶やかな微笑みのまま、いきなり自分の豊かな胸の谷間に手を突っ込んだ。男性陣全員が思わず生唾を飲み込む。
「はい、これがプライム石ですよ」
取り出した手に握られていたのは、10センチ程の菱形のような形をしたキラキラ光る鉱石だった。宝石といった方が正しいかもしれない。
「それが……」
「はい、プライム石ですわ」
「なんで胸の谷間に入れてたんだ?」
「ふふ、特に気にしないでください」
カルラのツッコミを笑顔でかわすマタ。
「と、とにかく…」
大和が軽く咳払いをしながら、
「目的は果たしたんだし、みんなゴートに帰ろう」
とその場にいた全員に言った。



帰り道は比較的スムーズに帰ることが出来た。助けに来た3人がちゃんと帰り道を覚えていたからである。
鉱山の通路をカルラを先頭に、少し後ろをマタとエドウィンとサリナが、そのさらに後ろを大和とリクゥが進んでいく。
「よかったね、大した怪我じゃなくて」
大和が隣を歩くリクゥに声をかける。
「……ああ」
返事をするリクゥだったが、何だか元気がない。具合でも悪いのだろうか。
少し不安になった大和がリクゥの顔を覗き込もうとすると、
「ようやく待ちに待った出口だぜ!さっさと町に帰ろうぜ!」
先頭を歩くカルラの威勢のいい声が聞こえてきた。
大和が声につられて前を見ると、
「うわっ!!」
数時間ぶりに浴びることになった太陽の光に思わず目が眩み、瞳を閉じた。とりあえず徐々に目を慣らしていく。
出口はもう目の前だった。



「ようやく出られた」
鉱山から脱出した大和の第一声である。
「何にせよ、無事で良かったな。大和」
エドウィンが大和の肩をポンと叩きながら言った。
「まったく、心配させないでよね」
大和の後頭部をパンッとはたきながらサリナが言う。彼女の方が若干痛い気がした。
叩かれてヒリヒリする頭を撫でていると、
「……橘 大和」
後ろからリクゥの声がした。大和が振り返ると、
「お前と協力して本当に良かったと思ってる。だけど………それもここまでだ」
リクゥは鉱山から出ようとせず、ジッと立ち止まったままであった。

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