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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 62

周囲を調べてみると、トロッコやスコップ、錆びたツルハシなどがあちこちに散乱している。どうやらここは、鉱山の入り口と最奥部を繋ぐ中継地点らしい。
「ちょうどよかった。ここで休もうぜ」
リクゥはこの空間の片隅に陣取って、そこにドサッと座り込んだ。大和もリクゥの隣に座り込む。
「リクゥ。水、飲む?」
懐から水を取り出した大和は、それを一口飲むと、傍らでへばっていたリクゥに差し出した。
「え………。いや、いらない」
それを仏頂面で拒否するリクゥだったが、彼の視線は水が入っている小袋に釘付けだった。
大和が苦笑しながら言った。
「我慢しないでいいよ。先はまだまだ長いかもしれないんだから」
それを聞いてリクゥが、ばつの悪そうな顔をしながらも、
「………ふ、ふん。し、仕方ないな。しょうがないからもらってやるよ」
大和の手から小袋を引ったくって、中身を飲み始めた。その様子を見ながら大和は、
(……もう少し素直になればいいのに)
と心の中で思っていた。



その時だった。

フシューーー!!

大和の耳にあの鳴き声が飛び込んできた。反射的に大和は鳴き声が聞こえてきた方を振り向く。
聞こえてきたのは、先程大和達が通ってきた通路からだった。大和達の周りをフワフワと浮かぶ火の玉が放つ光に照らされながら、声の主が飛び出してきた。

フシューー!!

アイアンコブラが口を大きく開きながら姿を現した。
「リクゥ!危ない!」
咄嗟に大和がリクゥを押し倒すように覆い被さった。と同時に轟音が大和の後ろから響き渡る。
振り返ると、さっきまでリクゥが座っていた場所をアイアンコブラの巨大な体が埋まっている。
「くそっ、追いつかれたのか!」
大和は起き上がるとガルドを抜き、戦闘体制に入った。一瞬遅れてリクゥも戦闘体制に入る。

フシューー!!

アイアンコブラは頭部を壁から引っこ抜くと、睨まれるだけで動けなくなるような視線を大和達に向けた。
「大和様、撤退しましょう。現時点では勝ち目はありません」
魔法剣状態のガルドが大声で叫んだ。
「逃げられるかな、リクゥ?」
「……そりゃ……無理……だろ?」

直後、アイアンコブラが2人を噛み殺そうと襲いかかってきた。その攻撃を大和とリクゥが示し合わせたかのように、左右別々にジャンプし避ける。
ところが、

ブンッ!!!

回避直後、アイアンコブラの尾が唸りをあげながらリクゥに襲いかかったのである。リクゥは避けきれずに、その攻撃をまともに受けてしまった。リクゥが壁に勢いよく叩きつけられる。
「リクゥ!!」
大和が絶叫する。しかし彼にも危険が迫っていた。

フシューー!!!!

リクゥに気を取られていた隙に、アイアンコブラが口を大きく開きながら襲いかかったのである。
「大和様!危ない!」
大和がアイアンコブラに気付いた。しかし、今からでは到底回避出来ない。大和の視界をコブラの口腔が覆っていく。

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