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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 58

「では大和様。私は剣に戻りますので、後はよろしくお願いしますね」
瞬間、ガルドが光に包まれる。そして光が消えると同時にガルドは魔法剣状態に戻っていた。
「……足引っ張んなよな」リクゥが言った。
「……君こそ足手まといにならないでよね」すかさず大和が言い返した。
「……………」
「……………」
2人の間を険悪なムードが漂う。
「……大丈夫かしら?」
睨みあう子供2人に聞こえないように小声で呟くガルドであった。


大和とリクゥは鉱山の中をひたすら前に向かって進んでいた。
前に進んでいるといっても、彼らに明確な目標があるわけではない。
ただ同じ場所に長く留まるのは極めて危険ということで、アイアンコブラの鳴き声が聞こえてきた方角の反対の方に進んでいるだけなのである。
今のところ特に問題はない。
ここに来るとき大和が持ってきた松明はどこかに無くしてしまったが、代わりに先程リクゥが出した火の玉がそれを補っている。
また食料だが一回の食事の量を減らせば、2・3日は十分持つ。水も今のところは問題ない。
あえて問題をあげるなら、それは1つしかない。
「…………」
「…………」
2人の険悪なムードである。
表面上は手を組んでいるのだから、少しぐらい会話があってもいいと思うのだが、彼らは一言も会話をしない。メリツに置いてきたジェンとモルティラニアの関係の方がまだましなくらいである。
「……2人共、少しぐらい会話をしたらどうですか?」
この状況に耐えきれなくなったガルドが唐突に口を開いた。
「……何を話すのさ?」大和が正面を向いたまま言った。
「……話すことなんて何もないだろ」リクゥも正面を向いたまま言った。
「……………」
重苦しい空気が流れる。2人に会話を勧めたガルドにとって、これはかなり気まずい状況だ。
「……そういえばこの鉱山で採掘される鉱石のなかには、砕いて飲むと肌が10歳若返ると言われる美容効果抜群の鉱石があるらしいですよ。大和様、ご存知でしたか?」
真剣にたずねているわけではなかった。ただ話すことがなく、思いついたことを適当に口にしているだけなのだ。
「国中のマダムがそれを求めたとか、子供が母親にプレゼントしたい物ランキングで見事に1位を獲得したとか、数々の逸話を聞いたことがありますよ。なかでも恵まれない子供達が病気の母親のために一丸となって働き、それを買い求めた話は涙なしでは語れないとか。やはり家族が協力する話というのは……」
「うるさい!何が家族だ!綺麗事ばっか言いやがって」
突然それまで何気なく喋っていたガルドをリクゥが怒鳴りつけた。

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