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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 56

「隣ですよ。それと、この子も」
「この子って、リクゥのこと?2人共、どこにいるのさ?」
大和が手を四方八方に伸ばして、ガルドの居場所を確かめようとする。
「あなたの隣ですよ。私は暗闇でも視界が利きますが、人間は見えないようですね」
「ホント。人間って不便だよね」
突然子供の声がした。リクゥの声だ。
「全く、ちょっと待ってろよ。……トーチライト」
刹那、大和の周りで炎がゆらゆらと宙を揺らめき、辺りを照らし始めた。
「ほら、これなら明るいだろ」
炎に照らされたリクゥの顔は、なんだか得意気に見えた。
「あ………、そうだ。エドウィンとサリナは?」
大和が周囲を見回して2人の姿を探した。しかし彼らはどこにもいない。
「お二人はおそらく無事だと思われます。落ちたのは私と大和様、それから……」隣で立っていたリクゥを見ながら、「この子だけのようですね」
「それとあの蛇もな!」
リクゥが吐き捨てるように言った。彼の瞳はアイアンコブラに対する復讐の業火に燃えている。
「確かに……。それよりこれからどうしますか?」
「どうするって……」
大和は頭上を見上げた。改めて見るとかなりの高さから落ちたのが分かる。とてもじゃないが壁をよじ登って這い上がれる高さじゃない。
さて次はどこかに洞穴でもないかなと周囲を見回していたら、
「ちょっと、リクゥ。どこにいくのさ?」
リクゥが1人で奥に進もうとしているのが見えた。先程出した炎が、彼の動きに合わせるかのように展開する。
「どこって、どこでもいいだろう。こっちに洞穴があるからこっちに進むだけだよ」
リクゥは振り向きもせずに言った。
「1人じゃ危ないだろ。僕も一緒に行くよ」
「ふん、お前の協力なんかいらないよ。僕1人で十分だ」
「何言ってんだよ。もしアイアンコブラがまた出たりしたら」
「だから?あんな蛇、僕1人でも勝てるさ。さっきだってお前達が邪魔しなければ絶対に勝ってたんだからな」
「何!?」さすがの大和もカチンときた。
「へー。そのわりには、苦戦してたじゃん。はっきり言うけど、僕が助けてなかったら負けてたんじゃないの?」
「何だと!?」この挑発にリクゥが振り向く。
リクゥが大和に近づき、その胸ぐらを掴んだ。リクゥは大和の身長より一回り低いため、少し無理な体勢ではあるが。
「上等じゃないか。なんなら前回の決着つけてやろうか。八星将軍火の王を舐めないでほしいもんだな」
負けじと大和がリクゥの胸ぐらを掴み返した。
「何言ってんだ!ルカジマの時はギルダーを倒した後で疲れていたから苦戦したんだけど、今回はそうはいかないからな」
大和とリクゥが互いを睨みつける。その迫力と言ったら火花をバチバチ散らしそうな程の威力である。

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