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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 55

天井から降ってくる岩も、先程と比べて大きくなっている。
大和は瞬時にリクゥに駆け寄ると、彼の腕を引いてエドウィン達が待つ通路に向かって走った。
「何すんだよ!」
「うるさい!いいから早く来て!……こうなったら乗り掛かった船だ」
「何ワケわかんない事言ってんだよ。僕に命令していいのは、セフィリアさんだけなんだからな!」
まるで駄々をこねる子供だ。本来なら正座に座らせてみっちりと説教しなくてはならないところだが、今の状況はそれを許してはくれない。
「離せ!」「うるさい!」
こんなやり取りが数回繰り返される頃には、2人は通路まであと少しのところまで来ていた。しかし通路までの距離に反比例するかのようにアイアンコブラの暴れ度がどんどん上がっていく。
「大和!早く早く!」「2人共、急いで!」
エドウィンとサリナが通路から大声で呼び続ける。
落下してくる岩を掻い潜りながら、大和と彼に腕を掴まれたリクゥは懸命に走り続けた。
(あと少しだ!)
大和がそう思ったその時だった。
グラッ!!
突然視界が揺れた。大和の右足が沼にはまったかのように地面に沈む。
(何だ!?)
驚いた大和が足元を見て、……驚愕した。
(地面が、沈んでいく?)
大和とリクゥの足元がどんどん下がっていく。アイアンコブラが暴れたために、地盤が緩んでしまったのだ。
底無し沼のように沈んでいく大和とリクゥ、そしてアイアンコブラ。
「大和、掴まれ!」
エドウィンが腕を伸ばして大和を助けようとした。しかし、僅かに届かない。次の瞬間、地面に巨大な穴がまるで口のようにぽっかりと開いた。
「ウワァァァァァーーーーー………」
悲鳴をあげながら大和、リクゥ、ガルドがアイアンコブラと共に巨大な穴に落下していった。その悲鳴も数秒後には何事も無かったかのように聞こえなくなる。
エドウィンとサリナがその場に座り込んで、目の前の巨大な穴を見下ろす。
「ど、どうしよう。大和が、大和が」
「落ち着けよ、サリナ。ここは一度、ゴートに戻ろう。俺達だけじゃどうにもならねぇよ」
「そ、そうね。早くポーランさんとカルラさんに知らせないと」
「ああ、早くしないと大和が鉄板蛇野郎に食い殺されちまう」
「ちょっと、そんな事言わないでよ。あの赤髪の子も無事だといいけど」
「そうだな。そう言えば、何で大和はあの子の名前知ってたんだ?」
「んもうっ、そんなことどうでもいいでしょ!早く行くわよ」
2人は急いで立ち上がると、親友を助けるためにゴートへと戻っていった。



「う、うーん……」
暗闇の中、大和は目を覚ました。頭がズキズキする。
「ここは……どこ?」
「どうやらかなりの高さから落ちたようですね」
近くでガルドの声がした。
「ガルド、どこにいるの?」

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