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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 53

そこは先程エドウィンが言ったように、まるでドームの中のようにぽっかりと開かれていた。側には採掘道具であるハンマーなどが放置されている。
そしてその中をランプのように光る火の玉が数十個、宙にフワフワと浮かびながら辺りを照らしていた。先程の灯りの正体はこれである。
しかし大和達が驚いたのは火の玉ではない。
フシューーーー!!
タイヤから空気の漏れるような鳴き声を出しながら巨大な蛇が暴れまわっていたのである。
「なんだよ、あれ?」
エドウィンが呟いた。
蛇の長さは電車の車両5両分ぐらい、頭部は大人1人分ぐらいなら簡単に飲み込んでしまえるぐらいの大きさだ。全身が鉄板のように輝いているが、頭部の額の真ん中、握り拳ぐらいの範囲が一ヵ所だけ真っ赤に輝いている。
「あれは、アイアンコブラ!」
サリナが目を見開きながら言った。
「数百年前にこの辺りに生息した凶暴な生物よ。体中が鋼のように出来ており、どんな武器も効果はない。本に載ってたわ。とっくに絶滅したはずなのに」
「どうやらその生き残りらしいね」
大和がガルドを鞘から抜きながら言った。
「おい、あれ見ろよ!」
その時、エドウィンがアイアンコブラの近くを指差した。
そちらに視線を向けると、洞窟を暴れまわる鋼鉄爬虫類の側で、大和達より一回り年下ぐらいの小さい子供がたった1人で戦っていた。
子供はコブラの攻撃をかわしながら、炎系の呪文らしき物を唱えて必死に反撃する。しかしコブラの鋼の皮膚の前では無に等しい。
「何であんな子供が?」
赤い髪に魔道士のローブ、10歳にも満たない背、何処かで見覚えがあった。
そして空中に浮かぶ炎に照らされた顔を見た瞬間、彼は思い出した。
「あれは、リクゥ」
子供の正体は、大和と因縁がある、あのリクゥだった。魔王軍が誇る精鋭部隊、八星将軍が1人、火の王を名乗る少年だ。以前ルカジマで戦ったとき、自分とレイを憤怒の炎で焼き殺そうとした張本人でもある。
「何でアイツがここに?」
大和の疑問をよそに、リクゥは次々と強力な呪文を唱えてコブラを攻撃するが、やはり鋼の皮膚には通用しない。
「ちょっと、早く助けないと。あの子死んじゃうわよ」
サリナが今にも飛び出さんばかりの剣幕で言った。エドウィンも同様である。
「行くぜ、オラッ!」
雄叫びと共に、エドウィンがダガーと呼ばれる短剣を構えながらアイアンコブラに突撃した。
「私も行くわよ!」
サリナも杖を軽く振り回しながら走り出す。
「エドウィン!サリナ!」
大和が叫んだ。実は彼はどうしようか迷っていたのである。当然だ。何しろ相手は自分を殺そうとした奴なのである。そんな奴を助けるほど大和はお人好しではない。
「大和様。お気持ちは分かりますが、このままでは二人が!」
ガルドが強い口調で言った。大和がコクリと頷く。

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