PiPi's World 投稿小説

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 41
 43
の最後へ

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 43

部屋に入ると、そこは質素な感じのベッドルームだった。あるのは小さいベッドとカーテンと1つしかない椅子、それから古風な化粧台ぐらいである。一応部屋は掃除してあるようだったが、どこか寂しい雰囲気が漂う寝室だ。
一通り手荷物を整理した3人は、すぐさま大和の部屋に集合した。理由は1つ、翌日のリジム鉱山探検についてである。
「プライム石は鉱山の最奥部にあるんでしょ。ならこのルートで進めばいいんじゃない?」
ベッドに腰掛けたサリナが、地図を指差しながら道順をなぞり始めた。
それを見たエドウィンが首を横に振る。
「違うぜ、サリナ。この鉱山の地図はだいぶ昔の時期に書かれたものだ。しかもリジム鉱山は廃鉱になってから長い月日が流れている。ということは、落盤とかで途中道が塞がれているケースも考えられるんじゃないのか?」
「そりゃそうだけど、じゃあどうすればいいのよ?」
「簡単さ。最短ルートだけじゃなくて、他のルートをいくつも考えればいいのさ。最奥部に行けるルートは何も1つじゃないんだしな」
そう言ってエドウィンは筆を持つと、地図に線を何本もなぞり始めた。
「うーん。ここを右に曲がって進むと……あ、駄目だ行き止まりだ。なら、ここを上に進んで斜め左に……」
エドウィンはぶつぶつ呟きながら、幾通りもの道順を地図に書き込んでいく。
そして約一時間後………、
「出来たぜ。これなら完璧だ」
自信満々の笑みを見せるエドウィンは地図を手に取ると、暇潰しに談笑していた大和、サリナ、ガルドの2人と1本にビシッと勢いよく突き付けてきた。
「見てみろ!これなら何があっても決して迷うことはないぜ!」
とびっきりの笑顔を振りまきながら、仁王像のように立っているエドウィン。しかし……
「……ねぇ、エドウィン」
地図を確認した大和が、太陽のように笑う親友に恐る恐る口にした。
「……これ、全部で何通りあるの?」
エドウィンが書いたルートは、およそ地図が真っ黒になるくらいに書き込まれていた。というより、端から見たら只の下手くそな落書きに見えなくもない。
「………?全部で143通りだ。それがどうかしたのか?」
何事もないようにエドウィンが答える。
「………………」
大和とサリナが互いに目を合わせる。その表情はかなり深刻である。
「どうしたんだお前ら?………まぁそんな事より、もうすぐ夕飯の時間だぜ。早く食堂に行くぞ!」
意気揚々とエドウィンが部屋を出ていった。その表情は仕事を終えた満足感と達成感でいっぱいだった。
一方、不安な表情のままの大和とサリナは、
「……新しい地図、貰えないかな?」
「……無理。だと思うわよ」
などと、互いの不安な表情を見ながらそんなことを話していた。



3人が食堂に来た頃には、既に豪華な料理がテーブルを埋めつくしていた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す