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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 37

(……先が思いやられるなぁ)
そう思いながらも、サリナと一緒にジュースを注文する大和であった。


それから約30分後……
「待たせたな」
そんな事を言いながら、カルラが店に再びやってきた。しかし、準備するとか言っておきながら、彼が持っているのは肩にかけている小さい皮袋1つである。
「あの、カルラさん。……荷物って……それだけ?」
「ああ、そうだ。それがどうかしたか?」
大和の質問に不安の色など微塵も感じられない表情で答えるカルラ。
(……どうかしたかって。ゴートまで5日もかかるんだよ)
カルラの持ってきた皮袋には、多分食料が入っているのだろうが、どう考えても小さすぎる。2日分の食料が入れば一杯になってしまうだろう。旅をなめてるとしか思えない。
「食料なんて、そこら辺の獣や草を狩って食えばいいんだよ。ほら、さっさと行くぞ」
獣を狩るというが、この男は見た限り剣や弓などの武器は何一つ持っていない。おそらくジェンと同じ素手で戦う格闘タイプなんだろう。それでも刃物の1つぐらいは持っていた方がいいのではないだろうか。
「俺様には刃物なんて必要無いんだよ。……買う金が無いとも言うが」
自分で言って自分で落ち込むカルラ。しかし直ぐに気を取り直すと、
「んなことはどうでもいいんだよ!……さっさと行くぞガキ共!」
と言って店を出ていってしまった。慌てて後を追いかける3人。
「あの、カルラさん。質問なんですが、アーカートさんとはどういった関係なんですか?」
ペスタの町中を4人で歩いている最中、大和はずっと気になっていた事を聞いてみた。
「昔の知り合いだって聞いてたんですけど……」
「あぁ、俺がガキの頃ルカジマに居たときから知り合いだ。アイツの母親のソフィー婆さんにも世話になったしな」
「……そのソフィーさんが亡くなったことは知っていますか?」
「……ああ、最初にルカジマが攻められた時だろう。旅の商人から聞いたさ」
「その後を、アーカートさんが引き継いだんです」
「アイツが学園長か。ご立派になったもんだぜ」
話している内に、いつの間にか4人は、ペスタを後にしていた。まだ太陽は高い。
「んじゃ行くぜ。ゴートに向かってな!」
カルラが北の方角を眺めながら言った。
「ゴートには、この街道を真っ直ぐ歩いていけば着ける。俺様の歩くスピードに遅れんじゃねぇぞ、小僧共!」
そんな事を言いながら、歩き始めたカルラと彼の後に続く大和達だったが、しばらく進んでいくと突然、
「………………」
カルラが歩くのを止めた。
「どうしたんですか?」
気になった大和が聞いてみるが、カルラは黙ったままである。彼の視線は左手の草むらに引き付けられていた。
この街道の両脇には木々や雑草が生い茂り、虫の鳴き声がうるさいくらいに聞こえていた。

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