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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 36

「あの。アーカートさん……知ってますよね?」
「……チッ、やっぱりアイツか。アイツがどうしたって?」
「……て……手紙を……預かってきたんですけど」
大和がバッグから手紙を取り出すと、カルラはそれを引ったくるように奪い、おもむろに読み始めた。
「…………………」
カルラが読んでいる間、大和は彼を注意深く観察してみた。
黒いシャツに黒いズボン。身長は180位だろうか。なかなかのハンサムである。右腕には包帯がぐるぐると巻かれてあり、墨で何やら呪文のようなものが書かれていた。
気になった大和が包帯に書かれている呪文をジッと見ていると、
「………チッ。あの野郎、勝手な事を」
舌打ちをしながら、カルラが手紙から目を離した。
「何て書いてあったんですか?」
「ふん、ふざけた事だ。お前らをゴートまで護衛、その後メリツ修道院まで届けてくれだとよ。しかも料金後払いだと!」
「よかったじゃねぇか。仕事が入って」
マスターが横から口を挟んだ。
「うるせぇ!これのどこが仕事だ?只のガキ3人のお守りじゃねぇか!」
そんなマスターをカルラは一喝。
やれやれ、と呟いて、マスターは黙った。
「あの、すみません。仕事って何ですか?」
気になった大和が聞いてみた。
「そいつの仕事だよ。配達屋。いや運び屋の方が近いかね。人に言えない後ろめたい物を目的地までに運ぶのが仕事さ。要人の護衛なんかもそうだな」
教えてくれないカルラの代わりにマスターが教えてくれた。
「で、今回の仕事が君達の護衛ってわけ」
「一方的な依頼だけどな」
カルラが吐き捨てるように言った。
マスターはカルラから手紙を取ると、
「でもよ、カルラ。もう半年も仕事してねぇんだぜ。うちのツケも払ってねぇんだし。それに、この額なら決して悪くない話だぞ」
「…………チッ。分かったよ」
カルラは大和の方を向くと、
「すぐに出発だ。準備してくるからここで待ってろ」
それだけ言うと、テーブルにいた連中に別れを告げ、店を出ていった。
「あの人、大丈夫かな?」
カルラが出ていくと、サリナが早速、口を開いた。
「うーん、どうだろうね?でもアーカートさんの知り合いなんでしょ」
「何言ってんだ大和。知り合いだからって、いい人とは限らないだろう?」
エドウィンが言った。その表情を見るに、カルラを信用していない事は一目瞭然である。
しかし、他にどうしようもない。任務の内1つには、“カルラと一緒に”が含まれているからである。
それを思いだし、ブスッとますます不機嫌な表情になるエドウィン。
サリナは我関せずといった様子で、マスターにジュースを注文する。

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