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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 34

「何故あの男を呼び戻すのですか?」
「私の親友だぞ。それに、戦闘能力もある」
「確かに……カルラの戦闘能力は私も認めます。あの“悪魔の腕”の力も。しかし、あの男を呼び戻すのは絶対に反対です。あなたはお忘れなのですか、あの男はマリナ様を…」
「マルティール!!」
たまらずアーカートが怒鳴った。マルティールが体をビクッと震わせる。
「その事は言うな!……マリナは、もう死んだんだ。……あれは、カルラのせいではない」
そう言うと、話は終わりだと言わんばかりにアーカートが去っていった。
「………アーカート様」
一人残されたマルティールが呟く。どうしたらいいのか分からず、ただ寂しそうな表情をしたまま彼も自室に戻っていった。



しかし、彼らは気が付かなかった。自分達の会話の一部始終をある人物に聞かれていたことに。
「…………ふむ」
その人物は影から2人の会話を思い出していた。
「アーカート、カルラ、そしてマリナ……ですか。これは何かに利用出来るかも知れませんねぇ」
その人物はそう呟くと、如才のない笑みを浮かべながら、いつもと変わらないメリツ修道院での生活に戻っていった。



出発してから約6時間が経過した。
しかし、旅をする3人は疲れを見せるどころか、逆に歩く度にどんどん元気になっている気がする。
「らん!ららん!らん!ららららん!らんらんらん!」
下手なリズムと滅茶苦茶な音程で歌を歌い続ける大和、エドウィン、サリナの3人組。どうやら3人共に歌の才能には恵まれていないようであった。
音痴3人組が今どこに向かっているかといえば、メリツとゴートの真ん中に存在する町、ペスタである。大和の荷物の中には、ペスタにいるアーカートの知り合い、カルラという男に宛てられた手紙が入っている。
「まずはペスタ。それからゴートですよ、皆さん」
ガルドが3人に注意した。あまりにも彼らが呑気だから心配になったのである。
「大丈夫よ、ガルド。ちゃんと分かってるから!」
サリナがまるで緊張感の無い声で言った。
「そうは思えませんけどねぇ………」
誰にも聞こえないように声をひそめて呟くガルドであった。



それから5日後……
3人はペスタの町にたどり着いた。時刻は太陽の位置から計算すると正午頃だろう。
「何にも無い町だな」エドウィンが小声で呟いた。
大和も町を見回す。エドウィンの言う通り、確かに何もない。あるのは家屋と畑、数件の店に酒場ぐらいである。
町というより、村といったほうが正しいかもしれない。

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