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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 33

呑気な顔で呑気な事を言っているのはシドウである。傍らにはいつも無表情無言のノネムと教務長のルーナ、そしてラティアの姉、レシアナ姫がいた。
「そうかしら?私はうるさいだけだと思いますが。それより、ラティアはどうしたのかしら?」
ルーナがレシアナに尋ねる。レシアナは首を傾げながら、
「あの子、最近変ですの。特に大和君の事になると急に顔が真っ赤になったり……」
ちなみに、この場にセリスとティナの姉妹はいない。セリスは出所早々、姉ティナに捕まり自室でキツいお説教中なのである。
「顔が真っ赤にねぇ……ひょっとしたら恋でもしたのかしら?」
「恋………ですか?あの子が?」
ルーナの発言にレシアナが目を丸くしていると、
「ほぉ、あのラティア姫が恋ですか?それはそれは……」
爽やか笑顔のシドウが割り込んできた。
「からかうのはやめなさい、シドウ」
「いや失礼。しかし若い男女の恋愛、なかなか素晴らしいものではないでしょうか。身分の違う男女の恋、是非とも叶えてあげたいものですよ」
「恋愛小説の読みすぎです」
ルーナが呆れた顔で言った。
「恋愛なんてまだ早すぎます。ラティアには学ぶべき事が星の数ほどあるのですから」
「しかしそれでは……おっと!そろそろ出発の時間らしいですよ」
シドウが気づいたのと、大和達3人が荷物を持ったのがほぼ同時だった。
「じゃあ、そろそろ行こうか」
洗濯したばかりのルカジマ魔法学校の制服に身を包んだ3人が、服や食料などをギッシリ詰め込んだ皮袋を肩にかける。いよいよ旅に出る時がやってきたのだ。
「3人とも、どうかご無事で。みんなを頼むぞ、ガルド」
「お任せください」
魔法剣状態で大和の腰にささっているガルドが頼もしい声で答えた。
「迷子になるなよ、王様」「怪我しないようにな」「大和君、帰ってきたら真っ先に抱いてねーー!!」
ジェンからの励ましやモルティラニアの何だかよくわからない叫び声などを背中に感じながら、大和・エドウィン・サリナの3人は、ゴートに向かって旅立った。
その旅の本当の意味も知らずに……



「アーカート様、少しよろしいですか」
3人を見送った後、自室に戻ろうとしたアーカートをマルティールが呼び止めた。
「どうした?」
アーカートは嫌な予感を感じた。マルティールの真剣な表情がどこかアーカートを責めているように思えたからだ。
「あの3人の今回の旅の目的の事ですが、私には理解しかねます」
「…………理解しかねるとは?」
「………理由の内、1つは私にも理解できます。彼らの為でもあるのですから。しかしもう1つの理由、カルラ・バルカイザーの件だけは理解出来ません!」
いつも冷静に喋るマルティールにしては珍しい激しい口調である。

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