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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 32

シーンと静まりかえったリビングに、唾液をすすり合う音と乱れた吐息だけが響いてくる。
大和は彼女の背中に回していた右手をさりげなく下ろすと、ドレスに包まれた脇腹の辺りに当てがった。
ラティアは瞳を閉じたまま、キスに応じていた。大和は脇腹に当てた手を、少しずつ胸に近づけていく。
ぷにゅっとした柔らかい膨らみが、大和の指先に触れた。先程の着替えで見た通り、ちょうど手のひらに収まるぐらいの可憐な膨らみだ。ラティアが恥ずかしそうに体をよじる。
そして、ラティアの乳房を直接見ようと大和がドレスを脱がそうとしたその時、
「ダッ、ダメ!」
ラティアが体をビクッと震わせたかと思うと、ギュッとまぶたを閉じて、頭を左右に激しく振った。
「ラッ、ラティア?」
予期せぬ激しい抵抗に大和を面食らった。(どうしたんだろう?)と大和が思っていると、
「ダメ、私……まだ……処女なの」
今にも消え入りそうな声で、ラティアが言った。真っ赤に頬を染め潤んだ瞳で見つめてくる表情からは、それが嘘とは思えない。
「ごめんね。……だけどダメ、これ以上はいくら大和君でも……ダメ」
「ラティア……」
涙を浮かべたラティアを見ていると、何も言えなくなる。大和は脱いだ上着を再び着直すと、床で俯いたまま泣いているラティアにソッと近寄った。
「泣かないでよ、ラティア。大丈夫だから、今日はこれで終わりにしよう」
ラティアの肩に手を置き、そう呟く。彼女は何も言わず、黙ったままドレスを整えた。
「……今日はもう帰るよ。明日、早いから」
そう言って大和が部屋を出ようとすると、
「大和君」
ラティアの声が耳に飛び込んできた。
「今日はごめんなさい。……でも、また今度ね」
ラティアが目眩するぐらいの可愛い笑顔で微笑んできた。大和もラティアに微笑む。
そして大和は部屋を後にした。



そして、翌朝……
まだ朝日が登ったばかりのメリツ修道院の門の前に、そうそうたる顔ぶれが揃っていた。
「「「じゃあ、行ってきます!」」」
旅に出る3人、大和、エドウィン、サリナが声を揃えて言った。
「うむ、気をつけてな」
教団大僧正のロジモイが優しい笑顔で言った。後ろには大司祭のアーデントが付き添っている。
「ゴートの町長、ポーランによろしく頼むな」
ロジモイの横にいたアーカートが言った。彼の後ろにはマルティールとエミリアが付き添っている。そして彼らの後ろには、
「ちょっと!聞いてないわよ、そんな話!」
出所したばかりのジェンとカスミに羽交い締めにされた、同じく出所したばかりのモルティラニアの姿があった。その傍ではレイとシホが苦笑している。
「やれやれ、随分賑やかなお人ですね。さぞやメリツも明るくなる事でしょうね」

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