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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 30

裸の少女が下着をつけていく。その様子を、大和はじっくりと目に焼き付けておこうとドアの影から身を乗り出した。
しかし、それがまずかった。
「誰!?」
突然ラティアが大声をあげドアの方を向いたのである。
(ヤバい!!)
このままでは覗き魔として捕まってしまう。しかも覗いた相手はお姫様である。
もし捕まれば、有罪確実の裁判で無期懲役をくらい、一生を牢獄で暮らすことになりかねない。伝説の王が覗きで捕まるなんてシャレにならない。

瞬間、大和は脱兎の如く走った。リビングを抜け部屋を後にする。どこに行くか?なんて考えてもいない。とにかく現場から遠くに逃げようと、大和は廊下を全速力で走りぬけた。



それから30分後。
(もう大丈夫かな?)
走りすぎて全身汗びっしょりの大和は、再びラティアの部屋の前に立っていた。
(……バレていないよね?)
内心びくびくしながらドアをノックすると、
「はーい。誰ですか?」
中から元気な少女の声が聞こえてきた。ラティアの声だ。
「あ、ラティア。大和だけど」「あ!大和君。待ってて、すぐ開けるから」
中から鍵の回る音が聞こえた。おそらく覗き魔(大和)が逃げた後、施錠したのだろう。鍵の音が3回したあと、ゆっくりと扉が開いた。
「よかった。本当に来てくれたんだ」
ピンク色のドレスを纏ったラティアが、太陽のようにまぶしい笑顔で言った。
「約束したからね」
大和も笑顔で答える。どうやらバレていないらしい。
「とりあえず、入って」
下心を顔に出さないようにして、恐る恐る中に入る。数歩進んだところで扉が閉められた。
「座ってて。何か出すから」
ラティアは先程彼女が着替えをしていた寝室に引っ込む間際にそう言い残し、大和は部屋の中心に置かれた丸いテーブルに座った。
(それにしても相談ってなんだろう?)
アルフレドのお姫様が自分を部屋に連れ込む理由を数個考えていると、ラティアがトレイに紅茶が入ったティーカップを載せてメイドのような動きでテーブルに置き、大和の向かいに座った。
「………………」
ラティアは何も話そうとしない。自分の前に置かれた紅茶から立ち上る湯気を、ただじっと見つめるだけである。
(………なんだろう?)
表情を見るに、かなり深刻な事であるのは間違いない。
「それで何の用なの?」
とりあえず聞いてみることにした。
「………………」
しかしラティアは黙ったままである。
(…………居心地悪いな)
大和がそう思ったその時、
「ねぇ、大和君」
やっとラティアが喋った。しかし喜んだのも束の間、大和は息をするのも忘れるくらいの衝撃を受けた。
「アルフレドに伝わる伝説の王が大和君って本当なの?」



「どこでそれを?」
大和は動揺を押し殺しながら言った。

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