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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 269

その時である。
アルテミスの全身が寒気に震えた。

 何かしら・・・・。何か凄く不吉な予感がする。敵が現れるような・・・まさか、彼が?

アルテミスは大和を見て思った。
だがそんな微妙な変化に、大和は気づかなかった。



「………という経過でありまして、後はアルテミスの報告待ちというわけです」
会議開始から一時間、出席者全員がヴェインの報告に耳を傾けていた。
出席者は14人。ヴェイン、ロウガイ、メインドを含めた元老院11名と国王トースモア。そしてアーカートとティナである。ちなみにアルテミスも魔法研究担当として元老院の一員に名を連ねているが、まだ会議には到着していない。
「つまり、こういう事ですかな?その橘 大和という子供があの伝説の王だった場合、我らとルカジマが同盟を結び、そうで無かった場合は破棄。というわけですね」
元老院の1人が尋ねると、ヴェインが頷く。
「しかし信じられませんな。伝説が伝承されてから数百年の間、今までに一体どれだけの伝説の王を名乗る偽物が現れた事か………。今回もまた偽物ではないのですか?」
今度は別のメンバーがヴェインを嘲笑うかのようにそう呟いた。
「偽物を確かめるのにわざわざアルテミスに真偽を確かめさせる事はしませんよ。本物と確信したからこそアルテミスに確認を依頼したのですから」
「そのアルテミスだが。貴殿と裏で通じているという噂も流れておるのだぞ。それに非常識な時間帯で密会を重ねているとも聞いている」
「彼女は元老院の一員ですが、同時に私の魔術の師でもあるのです。師と弟子が会う理由など限られてくると思いますが?」
「ほぉ………会っていた事は認めるのだな?」
元老院最年長ロウガイが鋭い目付きでヴェインを睨みながら言った。
「あくまでも師弟の関係で、ですが」
一方のヴェインは涼しげな笑みでそれを受け流す。
「ですが数年前の師弟の関係ならともかく、今は私も彼女も同じ元老院の一員。政治家同士の密会を疑われるのは彼女にとっても私にとってもマイナスにしかなりませんし、いらぬ政敵を作りかねません。これからは頻繁に会うのは避けることにしましょう」
と、ヴェインがへりくだった物言いで深々と頭を垂れたその時、
「その心配はいりませんよ、王子」
不意に女の声が部屋中に響いた。と同時に、扉がまるで自動ドアのように、誰の手も借りずに開き始める。

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