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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 247

これでは戦いにならない、とヴェインが結論づけた。
一同は言葉に窮した。といっても、積極的に発言していたのは軍部の最高指揮官のヴェインと文官の長老であるロウガイの2名だけで、残りの国王トースモアや文官のメインドはたまに口を挟むだけ。軍部副将軍のゴルバ、クリムゾンは先程から一言も発言していない。まるで自分達には一切かかわりのない事と思っているようにも見える。
そしてゲストのアーカートとティナに至っては、会議の行く末をただ見守ることしか出来なかった。元より立場上発言など許されていない。余程の事がないかぎり、特に意見を出すつもりも2人には無かった。
数秒の沈黙の後、ロウガイが口を開いた。
「ではヴェイン殿に伺いたい。あえて強力なシルファール国、エリンネリーを捨ててルカジマと同盟を結ぶそのメリットを」
「よろしいでしょう」
まるでその質問を待っていたかのようにヴェインが即答する。
「まず第一にこれまでの実績。現在のルカジマ軍は総大将及びルカジマ魔法学校の学園長も兼任しているアーカート殿、そしてその母君のソフィー殿が訓練しただけあり、魔王軍の正規軍にも遅れを取らぬ精強さを誇っております。その証拠にルカジマ軍は1度魔王軍の侵攻を妨げており、2度目は敗北はしたものの非戦闘民の避難を最優先させるなど、その実績は高く評価するべきだと私は主張します」
誰も口を挟まない。ヴェインが話を続ける。
「2つ目は現在ルカジマが滞在している場所がメリツ修道院であること。ルカジマが昵懇にしている修道院にはアルフレド国の先代国王オウラン公の御息女、レシアナ姫とラティア姫がおられます。魔王軍は数の上では強大ですが、その半分はアルフレドを占領した際に吸収した言わば寄せ集め。多くはまだアルフレドに忠誠を誓っていると考えられ、もし2人の姫君が味方となり戦線に立てば、敵にとってそれは元の主君に刃を向けるのと同じ。精神的にも効果があり、中には逃亡する者も出てくると考えられます」
「ちょっと待ってくれ!」
ティナが口を挟んだ。その瞳には怒気が混じり込んでいる。
「何ということ……。そなたはあろうことか姫様に戦場に姿を見せろ、と言うのか?」
怒りを隠せないティナに対しヴェインはどこまでも冷静な様子のままだった。
「仮の話ですよ。しかし効果はそれなりにあると考えられますが?試す価値があるなら何でも試す。あなたも軍人ならそれくらいの事は分かると思いますがね」
ヴェインのしゃべり方は、まるで駄々っ子を宥めるような口調だ。

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