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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 246

オリビアン・シルファール国はアルフレド、サンクキングダム両国より長い歴史を持つ国であり、広大な海を隔てた西方大陸を支配する大国である。その本拠地は大陸特有の複雑な山岳地帯に囲まれた自然が産み出した天然城塞となっており、空中を自由に駆け回るペガサス部隊と合わせ、まさに難攻不落の要塞であった。
国が鎖国政策をとっているためか外交関係はあまり良いとは言えないが、決して友好が無いわけではなく一応簡単な書面でのやり取りは定期的に行っており、ロウガイが口にした協力要請もその内容の1つであった。
一方の自由都市国家エリンネリーも、世界の錬金国家の異名を取る圧倒的な経済力を背景に多数の民間軍事会社を抱えており、その金に物をいわせた装備と傭兵軍団は、魔王軍・四天王軍の正規軍に勝るとも劣らない戦闘力を持っていた。
シルファール国にエリンネリー。どちらも味方にすれば頼もしい存在となるのは間違いない。
しかし、ヴェインはそのどちらもアテにはならないと意見する。
「確かにロウガイ殿のおっしゃる通り、両国共精強であることは間違いない」
「なら、一刻も早く手を結ぶべきじゃろうに」
「……ロウガイ殿」
ヴェインがこれ見よがしに溜め息をつく。
「ロウガイ殿は果たして本当にこのサンクキングダムの事を思っているのですか?」
「………一体何が言いたいのじゃ?」
「本当にこの国の行く末を思っているのなら、間違ってもこの2国とは同盟を結ばないと思いますが」
ロウガイを含めた一同は、ヴェインの言わんとするところがまだ理解出来ていなかった。
「端的に申し上げます。私はこの2国と協力して闘うのならば、まだ我が国のみで闘った方が勝算は高いと考えております」
ヴェインの言葉に文官のロウガイ、メインドの両名が失笑する。
「これは面白い事を口にする。連合するよりも単独で当たった方が勝てるとは。最高指揮官殿は我が軍を少し買いかぶり過ぎではないのですか?」
メインドのこの皮肉に、軍部である副将軍ゴルバとクリムゾンが、ジロリとメインドを睨み付けた。自分達の武力をバカにされたと思ったのだ。
そんな2人に苦笑いしつつヴェインが話を進める。
「信頼の問題ですよ。シルファール国・エリンネリー共に我らの背後を預けるだけの信頼関係はなく、仮に同盟を結んだとしても、結局は互いに足を引っ張りあうだけの存在にしかならない、と私は考えております」
「極端な仮定ですな。信頼など時間をかけて築き上げればよかろうに」
「それだけの時間が我らには残されてはいないのだ。既に魔王軍は強大な戦力を有し反対勢力を次々と制圧。四天王も着々と軍備を進めている。一方の我々は足並みが揃わず、そして先日、我が国の配下だった北斗七将が離反を表明したばかり」

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