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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 243

「この会議は、今後のサンクキングダム、ルカジマ、そしてアルフレドの行く末を決定づける重要なもの。しかも周囲の状況を考えるに、早急に決断しなければならぬ問題じゃ。お主が焦るのも分かる。………じゃがな、メインドよ」
老人の瞳がゆっくりとメインドに向けられた。その外見に似合わずその眼は鋭い眼光を放っていた。
「そんな状況の時こそ、常に冷静にならなければならないのじゃよ。急いては事を仕損じる、というやつじゃ」
老人に言われ、メインドがムッとする。
「私は特に焦ってなどおりませぬぞ、ロウガイ様」
ロウガイと呼ばれた老人は仏頂面のメインドをふおっふおっと笑いながら、同じく会議に同席しているアーカートとティナに視線を向けた。
「と、いうわけじゃ。申し訳ないが、もう少しだけ待ってはくれんかの」
アーカートが答える。
「気になさらないでください。こちらはいつでも構いませんので」
落ち着いて答えるアーカートだったが、先程から彼の手のひらは緊張のせいか汗がジットリと湿っていた。隣に同席するティナも、落ち着かない様子で、意味もなく目の前の資料を何度も繰り返しては開いていた。
無理もない。
この会議の決定次第で、ルカジマが領土を取り戻せるか否かが決まるのである。
現状の戦力及び周囲を取り巻く状況では、ルカジマが自力で領土を奪還するのはほぼ不可能に等しい。
そんな単独ではどうにもならない状況だったアーカート達にとって、サンクキングダム側からの同盟提示は、まさに渡りに船であった。
だがしかし、アーカートは思う。
(仮に同盟が成立しても力関係においては、事実上ルカジマはサンクキングダムの傘下に入るに等しい。成立しようがしまいが、前途多難ということか……)
眉間に皺を寄せながらアーカートはチラッと横目で、この部屋にいる残り2人に視線を向けた。
サンクキングダム軍副将軍、ゴルバとクリムゾン。両人共に名将として有名な武将である。
ゴルバは三十路前の背中まである黒い長髪の端正な顔付きの男。クリムゾンは惣面という顔の全面を覆うマスクのような形状の面具をつけているため、どんな顔付きかは全くもって不明だが、鎧から覗くその筋骨逞しい体躯は歴然の兵士を漂わせる威圧感を秘めている。

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