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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 242

「今のは、何?」
驚いた大和がキョロキョロと辺りを見回してると、
「この城の非常召集。王国の重臣達を集める緊急の合図に使われています。何かあったみたいですね。もしかしたら、サンクキングダムとルカジマの同盟の事かも知れません」
そう答えるナタリーの表情は、先程とは打って変わって真剣な眼差しとなっていた。一応王女だけあって、王国の重要決定事項にはそれなりに関心があるようだ。
一方の大和は、それほど関心は無かった。大したことはない。自分にはあまり関係無い事だと、高をくくっていたのである。
だがこの時の大和は知る由も無かった。自らが全く関わりの無いところで、自らに関する重要な決定がなされていたことに。そしてその決定が、自分だけでなく周りの仲間達の命運さえ分けていたことに。
橘 大和は気付く筈も無かった。



少し前。フリッドリッチの会議室にサンクキングダム、ルカジマ双方の幹部が顔を揃えていた。
彼らは部屋のど真ん中に置かれた巨大な円卓を囲みながら、会議に出席する最後の幹部の到着を待っていたのである。
現在部屋にいるのは7人。そして、席は8つ用意されている。
その内、入り口から最も離れた奥の上座に今座っているのが、サンクキングダム王国現国王のトースモア王であった。
先代国王の病死により弱冠20にして国王の座を継承した彼は、対外交渉において飴と鞭を巧みに使い分けながらこのサンクキングダム王国の地盤を固めた名君として、世に広く知られていた。国民から敬われ、家臣達の信望も篤い。
「国王」
そんなトースモア王に出席者の1人が話し掛けた。サンクキングダム王国内の方針を決定する最高機関元老院の幹部の1人、都市開発担当のメインドである。
「まだ全員揃ってはおりませんが、先に開始してもよろしいのではないですか?」
彼は40代半ばの頭をそりあげた鋭い目付きの男で、滑らかな黒い肌をしている。
「ルカジマ側の代表者であるアーカート殿とティナ殿が随分と前から御着席なされているのに、こちらの都合でこれ以上待たせる訳には参りません」
メインドがそう言うと、彼の隣に座っている白髪の眼鏡をかけた老人が、おもむろに口を開いた。
「じゃが、この同盟の提案者である当人がおらんようでは、会議にならんであろう」
老人は骨と皮ばかりで、歯も殆んど抜け落ち、まるでミイラのような外見をしていた。

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