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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 25

この魔法剣が変身した美女は料理が大の苦手らしい。先程から本職のコックが見たら激怒するような事を平気でやっている。
「ガルド、それは備え付け用のサラダに使う野菜よ。スープに入れちゃダメ!……あぁ、もっと指を丸めて。それじゃ危ないわよ」
レイの言うことを四苦八苦しながら忠実にこなしてみるガルド。心なしか表情は戦闘の時よりも真剣になっている気がする。
「………………」
その様子を横目で見ながらパスタを茹でていく大和。
彼の担当は簡単である。魔法でつけた火の上に鍋を置き、水が沸騰したらパスタを入れて茹でるだけ。そして時間が経ったら鍋から取りだしお湯を切り皿に盛り付ける。実に簡単な作業である。失敗しなければレイに怒られる心配もないはずだった。しかし、
(……もうそろそろかな)
そう思った大和が鍋からパスタを取り出そうとした瞬間だった。
「王、何をする気ですか」
冷たい声に振り向くとレイがこちらを睨み付けていた。かなり怖い。
「何って、パスタを取り出そうと……」
「早すぎます。あと43秒です。それから取り出してください」
しかもかなり細かい。
「いいですか王。料理というのは、技術や火力も大事ですが時間も大事なんですよ。そもそもパスタというのは……」
くどくどと料理について語りだすレイ。隣ではガルドが安堵した表情で野菜を切っている。
(……………食堂にすればよかった。………手伝うなんて言わなきゃよかった)
レイの力説を聞きながら心の底からそう思う大和であった。



結局料理が完成した時には、大和とガルドは疲労困憊の状態であった。疲れきった表情で料理をテーブルに並べていく。
その時だった。レイがテーブルから目を離した瞬間、ガルドが懐から小瓶のような物を取りだし、一つの取り皿にパッパと振り掛けたのである。その後、何事もなかったかのように皿を並べていく。
「ガルド、今何を?」
気付いた大和がガルドに尋ねた時、
「王、棚に置いてた小瓶を知りませんか?旅商人から買った媚薬が入ってたんですが……」
レイがそう話しながらテーブルについた。
(小瓶!媚薬!)
とっさにガルドを見るが、この魔法剣女は大和とレイを交互に見ながらクスクス笑うだけであった。
おまけに媚薬を振り掛けた取り皿は大和の席に置いてある。
「……せっかくジェン達もいないことですし、今夜は王と2人で激しくしようと思っていたのに」
レイがぶつぶつ言いながら取り皿にパスタを移していく。本来食事を取らなくてもよいガルドも同じようにパスタを移していく。
「大和様、お食べにならないのですか?」
ガルドが微笑みながら言った。
「も、もちろん食べるさ」
取り皿を持ってパスタを取っていく。そして、その皿にはガルドがかけた媚薬がたんまりと振り掛かっていた。

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