PiPi's World 投稿小説

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 228
 230
の最後へ

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 230

一方で、大和はシルファール教という名の宗教団体の一拠点、メリツ修道院に現在居住している身でもある。信仰心を持たない自分が、よりによって修道院に滞在する事を知った時は思わず自嘲したものだが、今となっては、週に一度の礼拝もすっかり慣れたものである。
最も慣れたからといって、別にシルファール教の教えを理解したわけではないのだが。
「大和君。神とは無慈悲かつ無意味な存在だ。生きている限り決して姿を現そうとせず、そのくせ神は必ず存在すると誰もが思っている。……神とは、人の心が生まれつき持つ病かもしれないな」
この男の話を聞いていると、彼もまた神、エデンの存在を否定しているように思えた。
運や天命といった類いに頼らず、信じるものは我が能力のみ。それこそが、独眼竜と呼ばれ敵兵から怖れられた男の、真の強みなのかもしれない。
「心の病は少し言い過ぎではありませんか。確かに神は人に何もしてはくれませんが、信じる事で救われる事もあります。
そもそもにおいて、エデンの存在を否定する貴方が、何故今の話を僕にしたのか理由が分からないのですが?」
「信じる信じないは問題ではないのだよ。確かに君の言う通り、私は神を信じてはいない。目に見えず触れる事も出来ぬ存在など、無価値としか表現しようがないからな。………だが、君は理解しなければならない。伝説の王として、これからも戦い続けるならば、な」
全てを見透かすようなヴェインの視線に、大和は思わず怯んでしまった。
(何故それを!?)
「何故それを私が知っているか、か」
思考を見透かされ無意識に顔がひきつる大和に、嘲笑うような冷笑を浮かべながらヴェインが言葉を重ねる。
「我が国の諜報機関を甘く見ないでもらいたいものだな。ルカジマがメリツ修道院に匿われる前から、君の情報は少なからず私の元に届いていたのだよ」
もっともその時点では特に重要視してはいなかったが、と言葉を付け加えるも、大和の心中は、自身の事がこの男にそれほど前から知られていたことに驚きを隠せなかった。
「私の元にはね、大和君。諸国に飛ばした間者から、数多くの情報が逐一届けられる。政治、軍事のみならず、民族、風習、気候、地形などありとあらゆる様々な情報を調査するように指示してある。さて、大和君。そんな数多の情報の中で、私が最も興味を引かれた話は何だと思う?」
「………」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す