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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 228

大和には、この男が一体何を言いたいのか、今一つ理解出来なかった。どう解釈すればいいか分からず、困り果てた様子で彼は聞いてみた。
「元々は1つの存在。……仰ってる意味がよく分かりませんが」
するとヴェインはおもむろに席を立ち上がると、部屋の壁中にズラリと並んだ本棚から一冊の分厚い本を取りだし、それを大和に手渡した。検めてみると、表紙はところどころ薄汚れており、中の紙も相当古く、至るところが破けている。どうやら、かなり昔の書物らしい。
「………タイトルは『エデンの園』?何ですか、これは……」
「はるか昔、まだ世界が暗黒に閉ざされていたころのことだ……」



世界にまだ何も存在せず漆黒の闇が世界を飾っていた頃、それは突然現れた。
名をエデン。エデンが現れると、その心の煌めきが集まり、闇を押し退ける光が射した。
エデンはその光にて自身の姿を悟り、その身体にふさわしい大地を創造した。その大地には、まだ何もなかった。
エデンは海と陸を創り、木や草や花を創り、そして自然を創った。
こうしてエデンは世界を創りあげた。エデンはその世界を、自分の分身に委ねようとした。
博愛、希望、勇気、繁栄、自由。それらの調べとともに、エデンは『人』と呼ばれる物を生み出した。
やがて疲れはてたエデンは長き眠りに入られた。
そしてエデンが目覚めたとき、様子は一変していた。何より驚いたのは、自らが生み出した『人』の数と、互いの種族の不和であった。
『人』は、人間、魔族、エルフ、ドワーフなど様々な種類に分かれ、果てしない創造と、果てしない破壊を繰り返していた。

エデンは嘆き悲しんだ。怖れ、怒り、羨望、嫉妬、欲望。いつからか、世界はそれらの調べに覆い尽くされていた。
エデンは心を閉ざし、その心を大地の何処かに隠された。
そして、世界は全く違う道を歩み始めた『人』に託された。



「エデンは世界を創造し、それを『人』に預けた。ところが、『人』は数百年たった現在も、争いをやめようとしない。エデンという名の神はどう思うだろうね?」
ヴェインの話に大和はジッと耳を傾けていた。神。確かにそう呼ぶに相応しいのかもしれない。
 
大和はあえて口にしなかったが、こう思っていた。
 エデンとやらは創造神かもしれないが、全自動機械の設計で重大な設計ミスをした技術者と変わらないじゃないか。
それで争いが打ち続いて落ち込むくらいなら改設計してよ。または能力増強改造をしてよ・・・いや、新人類がその改造品なのか?
どう考えても、人間という生き物は全個体が仲良くやっていけるようなスペックは持ってない。そこにさらに魔族やエルフやドワーフやらまでいたのでは、それこそむちゃくちゃもいい所だろうね。

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