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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 219

「そうだな。だが、たとえ仲間が見つかったとしても、私達の味方になるかどうかはわからないぞ」
「どういう意味だ?」
「お前の最終目標は、故郷ルカジマを奪還することにあるのだから、あまり気にすることはないだろうな。だが私達、アルフレドを再興する者達にとっては、絶対必要な事があるのだ」
アーカートには、すぐにピンときた。
「アルフレド国王、カイル公のことか?」
ティナがゆっくりと頷く。
「私達がアルフレド再興の軍を起こしたなら、デュランは必ずアルフレド王族の血を引いているサルマンを王国の正統後継者として立ててくるだろう。サルマンはクーデターを謀った首謀者の1人とはいえ、国王のカイル公の弟には違いないのだからな。そうなると、後継者候補が不在の私達の方が、逆に反乱勢力の汚名を着せられることになりかねない」

「カイル公が見つかるまで国王代理として、レシアナ姫かラティア姫を担ぎ出すことは出来ないのか?」
「それは出来ない。これはアルフレド先代国王オウラン公の遺言なのだが、どんな理由があろうとも姫を修道院から連れ出してはならない、と命じられているのだ。自分亡き後、娘達を政治の駆け引きに利用させないための処置だろう」
「そうか。だが何にせよ、こちらには強力な切り札がある。使用すりにはあまり気が乗らないカードだかな」
アーカートの表情に暗い陰りが見えた。
その表情を見て、ティナがアーカートの言う切り札の正体に気が付いた。
「それは、『彼』のことか?」
彼。この混沌の世界に突如現れた少年。アルフレドを建国した皇帝ラウが死の間際に預言した印を持つ15歳。
「ああ、大和君だ。厳密に言うならば、彼の肩書き『伝説の王』だがな」
それがあまり乗り気でないのは、アーカートの表情を見ればわかる。ティナも、祖国のためとはいえ、自分達の都合で何も知らない1人の少年を政治に利用するのは、あまりにも気が引けた。
しかし同時に、必要となれば、どんな非情な手段だろうが躊躇わず用いる冷徹さも、2人は兼ね備えている。
「万が一の時は、大和君に事情を話して協力してもらうことになる。アルフレドに古くから伝わる伝説の王の伝承は、サンクキングダム国内でも知らない者はいない程有名だ。もし、その伝説の王の存在が確認されたなら、元老院も決して無下には出来ないはずだ」
アルフレドが崩壊した後、その同盟国であったサンクキングダム国内では民衆達の不安が高まる一方だった。

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