PiPi's World 投稿小説

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 213
 215
の最後へ

気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 215

「もっとも、オッサンが本当に苦労してんのは、部下の統率より上司との上手い付き合い方だったりしてな」
数瞬の沈黙があった。カルラとヴェインが黙って互いを睨み合い、それを大和、ティナ、モルティラニアの3人が見守る状態が続く。
気まずい空気が漂うなか、不意に中庭全体に銅鑼の音が響き渡った。それと同時に、神龍隊の兵士達が次々と中庭を立ち去っていく。三龍将の面々も、城の中へと消えていった。
中庭の人口が減っていくなか、沈黙が場を支配している大和達に、1人の見覚えある巨漢の兵士が近づいてきた。のっそりと歩くその巨躯はサンクキングダム最強の精鋭部隊神龍隊の隊長レグナスに間違いなかった。
「おぅ、皆さんどうなされた?中庭は神龍隊の訓練中は全面立ち入り禁止ですぞ」
「何言ってんのよ。気持ち良く寝てたところを、あなた達の鉄砲の音で起こされたんじゃない。やかましいったらないわよ、まったく」
レグナスの質問にモルティラニアが苛立った様子で答えた。
するとレグナスは、
「おや、窓は閉められなかったのですか?この城の窓は特殊加工が施されており、外部からの音は、全て遮るようになっているのだが」
と、首を横に傾けながら言った。
「どういう意味ですか?」
大和が訊いてみると、
「この中庭は普段我ら神龍隊の訓練や、大掛かりな魔法実験等によく使用される場所でな。それらの雑音で、他の兵達の仕事に支障が出ないようにと、数年前ウィザード魔術学校の連中が、城の全ての窓に防音魔術と視界遮断魔術をかけたのだが………」
「……それは、窓が閉じてなければ駄目なんですか?」
大和の脳裏に、昨夜モルティラニアとの情事を終え帰宅した後の自分の行動が浮かび上がる。
(確か、頭が冴えて眠れなかったから、気分転換に窓を開けたような……)
「ああ、確かに窓が開いていれば、それらの魔術は意味が無くなるなぁ」
大和が思った通りの事をレグナスが言った。だが、次に出てきた言葉は、
「しかし、この城の窓は全て、就寝の時間から早朝の神龍隊の訓練が終わる時刻になるまで、決して開かないようになっているはずなのだがな。使用人達が全部屋を回って、窓が閉まっているか確認しとるはずだし、もちろん、それは客室も例外ではない。余程強力な魔法使いが触れなければ、絶対に開かないはずだが……」
レグナスがその厳つい表情を、若干曇らせながら言った。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す