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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達〜第2章〜 214

「我らの非礼は、後程大和君に謝罪します。……そして貴方には、感謝しなければなりませんな。貴方が大和君に鉄砲の情報を、つい『うっかり』と与えていたことで、私はあの兵器の特徴を知ることが出来たのですから」
カルラもカルラならアーカートもアーカートだ。幼なじみ同士、性格が似ているのだろうか。日頃紳士的なアーカートが敵意を剥き出しにし、そう冷ややかに言うと、ヴェインの返答を待たずしてクルリと踵を返し、そのまま中庭から立ち去っていった。
「……礼には及ばないよ、臨時学園長殿」
扉の奥にアーカートの姿が隠れる直前、独眼竜は何の感情も宿さない隻眼の眼差しを彼の背中に注ぎながら呟いた。その時、
「大将。無駄話は終わったんか?」
大和達の背後から別の、第三者の声が飛び込んできた。その声に、ヴェインは振り向くことなく返答する。
「訓練終了か。成果はどうだった、アイリス?」
「全員が良くやっとる。ただ、ファンガルの部隊で2人、死者が出た。あの馬鹿は少しやりすぎやで」
呆れたような口調で男は言った。
「フッ、直接注意しておくよ。細かい事項は、報告書にまとめてくれ。後のことは、お前とレグナスに任せる」
「……了解」
それだけ言うと、男はボリボリと頭を掻きながら、訓練を終えた兵士達が集まる場所へと歩いて行った。
アイリスと呼ばれた男は、年齢は20代半ばぐらいか。顔は痩せこけ、ボサボサの髪は灰色。年の割りには老けた印象の男だったが、ギョロッとした瞳だけは、何か異質な光を放っていた。
そのアイリスの元に、幹部らしき2人組が近づいてきた。
1人は青いショートカットの小柄な少女で、明るく活発な雰囲気の顔立ちをしている。
もう1人は40半ばを過ぎた男で、厳つい表情や細長い目付きから放たれる鋭い眼光は、兵士というより山賊を思わせる風貌をしていた。
その2人組、そして彼らに近づくアイリス。3人共に、周りの屈強な兵士達とは、一際違う威圧感を漂わせていた。
「あの3人が、噂に名高い神龍隊の幹部、三龍将か」
「如何にも。私の自慢の家臣達ですよ」
カルラの独り言にヴェインが答えた。ジロッと睨み付けるカルラをよそに、独眼竜は淡々と言葉を続ける。
「龍の翼、ルーアハ。龍の牙、ファンガル。そして私の参謀でもある龍の瞳、アイリス。近い将来、この国を背負って立つ者ばかりだよ」
「そんで、その上で隊を纏めるのが、神龍隊隊長の阿修羅将軍レグナスか。あのオッサンも相当苦労してるみてぇだな」
「レグナスは有能な男だよ。曲者揃いの隊を束ねるのは、並大抵の努力では務まらないからね」

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